軽井沢の夏って涼しい?
亜寒帯湿潤気候(Dfb)
ケッペンの気候区分で言うと、ここは「亜寒帯湿潤気候(Dfb)」に属する。つまり「温帯」ではないということだ。昔からここに住んでいるひとによると「最近、夏には、30℃を超えちゃったりして、もう『避暑地』とは言えないよ」なんて話もあるけど、地球全体が暖かくなっていることを考えると、相対的には、やっぱり「冷涼」といえるだろう。
だけど、ここで暮らしていて感じるのは、「冷涼」ということよりも、「気温の差が大きい」ということだ。「季節」、「時間帯」そして「地域」と、すべての項目において軽井沢は、差が大きい。
短い夏の時期は、日中たしかに30℃を超える日もあるけれど、真冬は、マイナス15℃以下になる日もある。年間では、実に45℃以上の気温差があるわけだ。
時間帯でも気温が違う。夏場、日中どんなに暑くても、日が落ちてくると、まるでエアコンを入れたように、すーっと涼しくなる。夜間の気温が25℃以上、つまり「熱帯夜」が記録されたことは観測史上、一度もないらしい。ちなみに年間を通じて、1日の平均気温は、札幌とほぼ同じなのだけど、朝晩は軽井沢の方が気温が低く、日中は札幌よりも気温が高い。
天然の除湿機
興味深いのが、地域差で、特に西と東ではずいぶんと気温、いやもう気候が違う。東西、たった10kmほどの小さな町なのに、東側は気温が低く、湿度が高い。追分など、西側は、気温が高く湿気も少ない。東側の旧軽井沢あたりでは、「年のうちの半分は霧」と言われるくらい、霧の発生日が多い。ほとんどの邸宅の庭が苔むしているのは、そのためでもある。
一方、僕たちが暮らしている、西側の追分あたりでは、朝方、霧が出ることもあるけど、その時間は短く、日が昇ってくるともう晴れる。朝8時ごろ、少し高いところに登って、東南側を見ると、一面が雲海の下になっていたりする。
夏場は特に東、つまり太平洋側からの季節風が吹くことが多く、その湿気を含んだ空気が関東平野から碓氷峠を一気に1,000メートルちかく昇ることで霧が発生、少し下った旧軽井沢あたりで、霧雨となって地面に落ちる。そして、湿気を失った空気が西の方に流れてくるというわけだ。
そんなわけで、軽井沢のさらに西の佐久市は、なんと年間の晴天率が日本一となっている。
この「東雨西晴」の気候には、実は素敵なプレゼントがあって、午後、西から差してくる日の光が東側の霧雨にあたって、くっきりと大きな虹を見ることがしばしばある。
不動産価格と湿度は「東高西低」、気温は「西高東低」というのが軽井沢の特徴というわけだ。
もし、軽井沢に知りあいがいて「涼しいよ〜軽井沢、だけど湿気がすごくてさ〜」というひとがいたら、きっとそのひとは、お金持ちなので、仲良くしておいたほうがいいかもしれない。
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