おかしな日本の離乳食 #初期とか、中期とか
よく語られる離乳食初期、中期、後期・・・
主には赤ちゃんの食べる機能の発達に合わせて、食べものの水分量や硬さを調整する段階をいう。
こんなに離乳食の段階を細かく示している国を、私は知らない。
本当に意味があるのか。本当に赤ちゃんのためになるのか。誰が誰のために作ったのだろうか。
世間で「初期」といわれる調理形態は「なめらかにすりつぶした状態」のものである。「#10倍がゆ」でも話題にしたスープやすり流し系、ゆるいつぶしがゆを示す。
「食べ始めよう!」って言ってるのに、これらは全て食べものではなく「飲みもの」である。
日本では、赤ちゃんのほぼ全員が10倍がゆをなめらかにつぶした「飲みもの」からスタートしている。
この一辺倒の方法だと、初期には水分が多すぎて適切な栄養補完ができないだけでなく、以下のような人々が一定の割合で発生することになる。
おかゆが苦手な子(おかゆ嫌いは、けっこういる。私はイモ類をつぶしたものでも良いじゃない?って思うけど、どの離乳食本にも「おかゆから始めるんだよ。日本人だから。」って書かれているから、親はその通りにする)
そもそもスプーンが不快な子(これもけっこういる。だって突然目の前にスプーンを差し出されて、それが何かも分からないのに口を開ける大人はいないよね?)
突然ゆるい液体が口に入ってきてビックリする子(無理もない。液体は吐き出しづらい。)
量を増やして胃袋タポタポになって、母乳やミルクを飲む量が減る子(#10倍がゆの記事参照)
このような人たちは、私のまわりには結構いる。巷の離乳食困りごとでも、子どもが口を開けないとか、口に入ったものをブーっと吐き出すとか、あるあるの悩みとしてもよく耳にすることだ。
すんなり飲みもの系を口にする赤ちゃんたちもいる。ただこの子たちも、早くに中期(舌と上あごで押しつぶすモグモグ期)にステップアップして栄養補完する必要があるが、この時期を決めるのは親である。
中にはなかなかモグモグ系にステップアップしない人がいる。決まって親は言う。「なかなかモグモグしないので進めません。進んで良いのか分かりません。」と。
赤ちゃんは、「できない」を「できる」に変えるとき、いつもちょっと無理して上を狙う。軽々クリアできるゲームなど、繰り返しトライしても面白くない。
食べるのも同じ。もぐもぐできる食べものでないと、子どもはもぐもぐしようとしない。つかまるところがなければ、つかまりだちしようとしないのと同じ。考えてみれば当然のことである。
みんながみんな10倍がゆでスタートしているから、栄養が十分に摂れないどころか、このような親子のつまづきポイントが増えてしまっているように思う。
そしていろいろ考えてみると、「おかゆはやはり5倍がゆスタート」という結論に行き着く。ちゃんと栄養補完できて、モグモグし始めるきかっけになるからだ。
もしも米のつぶつぶが苦手なら、後から少し水を足してつぶせばいい。
それでも苦手なら、いも類のペーストはどうか。おかゆより食感が均一で、甘味もあっておいしい。米と同じ穀類なのでお腹にもやさしい。
初期とか中期とか、ややこしい段階を大人が決めることが果たして本当に赤ちゃんのためになるのか、よくよく考えてみる必要がある。
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