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運営のつぶやき〜知的・発達障害のある姉の食事情〜

皆様〜! お元気ですかっ🌬🍁
かるがも運営のハルキでございます。

突然ですが、連続テレビ小説(通称「朝ドラ」)をチェックしている方はいらっしゃるでしょうか?
現在放送中の『おむすび』ではヒロインが栄養士を目指すようで、管理栄養士1年目の私としては要チェック! なのです🍙
(と言いつつ、朝はバタバタして見逃してしまうことも多いのですが)

というわけで! 今回は「知的・発達障害のある姉の食事情」をテーマにしてみようと思います。
かるがも会のnoteで管理栄養士っぽい話するの、ちょっとした夢だったんですよね🧑‍🍳✨

一事例ではありますが、ご家族の食のお悩みがあるきょうだいさんにとって何かしらのお役に立てれば嬉しいです。


●管理栄養士ってどんな仕事?

読者の皆様の中にははじめましての方もいらっしゃるかもしれません。
改めまして、かるがも会の運営の端くれのハルキです。よろしくお願いします🍜🎶

普段は高齢者施設で管理栄養士をしています。
何をしているかというと、栄養・給食に関することおおよそ全部! です。
厨房で調理師さんたちと一緒に食事を作ることもあれば、毎月の行事食をプロデュースすることも🍴😋
何より代表的な業務は、「栄養ケアマネジメント」です。
利用者の方々の栄養状態を見て「栄養ケア計画」というのを立て、食事の様子や体調をモニタリングするお仕事なんですよ〜。なんだか難しそう。

でもね、大丈夫です。ここで栄養ケアマネジメントの事例として、私の姉に登場してもらいましょう。
もし姉の栄養ケア計画を立てるとしたら……私ならこういう流れでやっていきます!

※内容にときどきフィクションを交ぜています。あしからず!

●私の姉の食事情

・姉について

〈基本情報〉
年齢:20代
身長・体重:ゴニョゴニョ…
特記事項:
知的・発達障害。
両親と3人暮らしで、食事は3食自宅で摂っている。アレルギーは特になし。

〈食事の様子〉
食事摂取量:◎
昔は偏食でしたが、今はだいたいなんでも食べられるようです!

・摂取ペース:△
超絶! 早食いです。口に詰め込んでしまうので、窒息しそうでヒヤヒヤします💦

・咀嚼・嚥下機能:△
数回しか噛まずに飲み込むので、これも窒息リスクが高いです。ムセはないので嚥下機能は問題ないでしょう。

・摂取動作:○
座っているときの姿勢だけ声かけすればOKです(ほっとくとあぐらをかいてしまうので)。箸やスプーンも使えます!

・集中力:◎
没頭しています。リビングにあるテレビには目もくれません。

・その他:
食事はひとりで先に食べて、食器をシンクに下げたらほかの家族が食べ終えるまでじーっと張り込んでいます(ちょっとプレッシャーだけど、みんなの食器も片づけてくれるのはありがたい笑)。
また、自分と他人のものの区別がつかないようです。大皿料理や飲み物をテーブルに置いておくと、気づいたらなくなっています……。
そして、あればあるだけ食べ・飲み尽くしてしまいます。満腹中枢どうなってるん??

さて、ここから見えてくる課題は大きく2点です。

①摂取ペースが早く、咀嚼回数も少ない
↓↓↓
1-1:誤嚥・窒息リスクが高い。
1-2:ひとりだけ先に食べてしまう(いわゆる「孤食」)。

②あればあるだけ食べ尽くしてしまう
↓↓↓
2-1:消化不良や肥満の原因になる。
2-2:他者のものも食べてしまい、トラブルにつながる。

となります。

・どんな計画を立てるか?

課題を抽出したら、次は計画です。
何をするのか対策を考え、計画書に盛り込むのです。
※ここではすでに家庭で実施していることも含みますし、実際に計画書を作るわけではありません。あしからず!(2回目)

①摂取ペースが早く、咀嚼回数も少ない

これについてはまず喉に詰まらせないことが最優先ですので、食べ物を一口大にカットすることで対応しています。

メニュー名はまた後ほどご紹介!

また、職場では、口に入る量を減らすために小さいスプーンを使用することもあります。
これはまだうちでは試したことがないので、次に帰省したらやってみようかな?

一番いいのはよく噛んで食べる練習をすること。でもこれは現実的にはなかなか難しいです。
私も何度か挑戦したし、母は今でもときどき姉の隣で声かけしていますが……。
咀嚼・嚥下という本能的な動きを言葉で説明するのは難しいし、何より隣でじーっと監視されていると食べるのが楽しくなくなってしまいますしね。
というわけで、我が家は食事内容を工夫しつつ、適度に見守るという形に落ち着きました。

②あればあるだけ食べ尽くしてしまう

姉が食べる分をワンプレートに盛りつける(大皿のままテーブルに出さない)、これに尽きます。
食べ尽くせる量をこちらで一人前に調整すればよいのです。

恐らくですが、姉の食事に対する姿勢は「お腹が空いたからお腹が満たされる量を食べる」ではなく「食事の時間が来たから食卓にあるものを食べる」だと考えられます。
ワンプレートにしてからも食事の量が少ない! と訴えられたことはありません。
それもそれでどうなんだろうなぁ、姉は食事を心から楽しんでいるのかなぁ、と感じるときもあります……。 

・具体例

ともあれ、以上の対策を実際の料理で表すと、こんな感じになります。

これが普通の食事だとすれば、
姉仕様はこれ!

⬇特に需要のないメニュー名はこちら⬇

・ごはん
・もやしの肉巻き
・イカの南蛮揚げ
・きのこと枝豆の甘酢和え
・味噌汁(わかめ、にんじん)
・柿

上下の写真の違い、お気づきでしょうか。
一口大にカットしているのは肉巻き、イカ、レタス、柿です。
イカは弾力が強いので、特に食事中の見守りが必要な食材ですね(ほかにタコやこんにゃくなども)。

あとは姉の食事の様子をモニタリングして、改良できる点があればまた新しい試みをしてみるつもりです。
今のところ実家に帰るのは1~2週間に1回程度ですので、両親からまめに様子を聞いておくとより正確にモニタリングできるかなと思います。

●「食の楽しみ」を考える

さて、ここまでお読みいただきありがとうございました。
なんとなく管理栄養士の仕事内容がイメージできましたでしょうか?

職場で食事の様子をラウンドしていると、栄養状態や食べ方は本当に人それぞれなんだなぁ、と思います。
姉はどちらかというと食べすぎる傾向にありますが、高齢者施設では食べられない方のほうが多いです。
食べるとムセる方、うまく消化できない方、食べ物を認識できず遊んでしまう方など、様々……。
でも、計画書にはどの方にも「食の楽しみを提供する」という言葉を入れています。
食事を残される方に「もう一口いってみましょ!」と声をかけるたび、また実家でひとり食べ物を口に詰め込む姉を見るたび、食の楽しみってなんだろうなぁ、と考えてしまいます。
その答えを探すため、明日もいつも通り寒空の下を歩いて職場に向かうつもりです。

皆様のごきょうだいにも食にまつわるエピソードやお悩みがありましたら、次回のかるがも会でぜひ聞かせてくださいね!!

●お知らせ

・次回予告

さて、そのかるがも会ですが。
次回の開催日は、
🍃11月17日(日)20:00~22:00🍃
となります。

申し込み期限は11月16日(土)です!

1週間後、Zoomでの開催となります。
秋の夜長に全国各地に住む仲間とゆるりとおしゃべり……なんて贅沢な時間でしょう🤭🌼
ぜひ、お気軽にお申込みください。

⬇申し込みフォームはこちら⬇


・運営メンバー募集中!

また、併せて運営メンバー募集のお知らせもさせてください。
現在運営メンバーは6名、うち私を含む4名が社会人となっております。
来年度には残り2名も社会人デビュー!🧑‍🎓㊗️
仲間の進路が決まりおめでたい一方で、フレッシュな現役学生の皆様と少しずつ年齢が離れていくことについてしっかりと向き合わねばならない時期に差し掛かっております。
これを機に、運営気になるかも🦆という方はメールや各種SNSでお問い合わせいただけるととっても嬉しいです🙆

基本的な仕事さえ押さえれば、活動ペースは自由。
各々の得意分野を生かした運営体制を作っていきたいですね〜(願望)

それでは、今回はこの辺で失礼いたします!
また次のnote更新をお楽しみに。
お風邪など召されませぬよう、温かくしてお過ごしくださいませ〜!!


かるがも運営 ハルキ

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