スティーブ・ジョブズのすごさ(初心者の映画制作講座)
(2011年10月に書いた記事より)
先日、スティーブ・ジョブズが亡くなりました。
特別彼のファン、というわけではなかったのですが、
カルフをピクサーみたいにしたいと思っているし、
iPodは片時も手放さないし、
映像編集はFinalCutProだし、
知らず知らずのうちに、少なからず彼から影響を受けて生活していたんですね。
で、改めて考えてみると、すごい人だったんだなあと思うんです。
製品開発力、発想力、カリスマ性などなど、
彼についてはいろいろ言われていますが、
僕がつくづくすごいなあ・・・と思うのは、
彼の、『自分を信じる力』 なんです。
まあ、世の中にはいろんな人がいますが、
世界規模で考えるとやはり彼はすごい。
もう少し具体的に書きますね。
彼が創造してきた商品というのは、既成概念を打ち破るものばかりでした。
本を読むと、彼は必ずしも人に好かれてばかりの人生ではなかったようです。
つまり、彼が口にしたアイデアについて、
いつも周りに応援してくれる人ばかりではなかったはずなんです。
しかし彼は、そのアイデアを貫き通した。
人の批判や反対意見を押しのけて、
自分を信じて、世の中にまったくなかった商品を生み出してきた。
そこが、心底、すごいなあと思うんですね。
自分を信じること、言い換えると、
自分のアイデアを信じ切ることって、なかなかできることではありません。
自分の思いついたアイデアが、いつも周りから賛成を得るわけじゃない。
そんな中、考えたストーリーを信じて、役者やスタッフを引っ張って行くのって不安で仕方ないわけです。
初めての作品には、ひとは盲目的に自信過剰になります。
なれます。
でも2作3作と作るうちに、良くも悪くも「知恵がついて」くるんですね。
こうやるといいものが撮れる、こうやるとウケがよくなる、なんて考え始めるんです。
同時に、「俺はこれで行くんだ」という気持ちに揺らぎが出始める。
いつまでも自信満々の人もいますので、それはそれでいいんですが、あまり周りを気にし始めると、自分の考えたものが不安で自信がなくなってきます。
でもその自信の無さが露呈し始めると、スタッフ役者からの監督不信につながるし、その気持ちを押さえこむと、今度は精神的に思わしくなくなってくる。
監督の辛さの一つはこんなところにあります。
知識がつくほど、経験が増えるほど、
自分の考えるアイデアかどうなるかについて、
すごく具体的にイメージできるようになる。
正確には、具体的にイメージできるような気がしてしまう。
で、不安になるんです。
僕は実は、シナリオをあまり人に見せません。
秘密主義を貫きます。
だって、あちこちから反対意見が出始めたら、僕のように小心な人間はたちまち制作意欲が減退するんです。
僕はスティーブ・ジョブズにはなれません。
もちろん、秘密主義がいい、ということではありません。
僕のように「ビビリ」な人は参考にしてください。
「ビビリ」でも映画は作り続けられます。
じゃあどうやって人を口説くのか。
それはまた、別の機会にまとめたいと思います。
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