警察・警備員から逃げ回る日々(初心者の映画制作講座)
映画の撮影場所のことを、ロケ地、と呼びますね。
そして、ロケ地を撮影前に探しに行ったり、
その場の様子を確認することを、
ロケーション・ハンティング
=ロケハン
と呼びます。
このロケ地について
よく話題に挙がるのが、
「許可申請」
です。
警察に行って、
「この日にこの場所で撮影許可をください」
と申請することですね。
ただ僕は、ロケ地を決める際、
許可申請よりももっと大事なことがある、
と考えています。
その大事なこととは、
その場所の通行人と交通量です。
そしてこの問題は、
都会特有のものと言っていいとも思います。
もちろんね、
しかるべき許可申請は必須ですよ。
必須なんですが、
許可申請したからと言って、
根本的な問題はあまり解決してない、
というのが今回のお話なんです。
* * * *
都会の繁華街や公園など、
屋外の映画撮影は、NGを連発しがちです。
単純に、
通行人と交通量が多いからです。
人がいっぱい歩いてるし、
車もいっぱい走っている。
大事なシーンの後ろを、
通行人がこっちを見ながら通り過ぎ、
大事なセリフのときに、
車が騒音と共にかけぬけていく。
NGを多発するということは、
なかなか撮影が進まないということ。
そして
録音に失敗するということは、
作品の質が下がるということ。
それでも、車はまだマシかもしれません。
あっという間に通り過ぎて行きますから。
通行人は、本当にやっかいです。
通行人は、撮影に気がつきます。
カメラに気づいた上で、
自然な行動をとれるひとなんてそうそういません。
あくまで分かりやすさのために、
特定の性別・年代を入れて書きます。
あくまでサンプルですよ!!
▼役者の背後に、
ゆっくり歩く80代の老人が現れる。
彼はカメラの方をぼーっと見つめながら、
ゆーーーーーーーっくり近づいてくる。
▼通りかかった70代男性がカメラに気付く。
そのまま通り過ぎるかと思いきや、
「え?」という感じでそこで立ち止まる。
銅像のようにカメラ目線で。
▼40代主婦はカメラに気づき、
突然、慌てて逃げるように去る。
普通に歩いて通り過ぎてくれれば、
と思うのだけど、逆に目立つ結果に。
▼20代の男性は
「通っていいですか?」
みたいなジェスチャーを送ってくる。
録画中のカメラに向かって。
▼60代男性は、
カメラの前を通り過ぎるときに、
「あ"!!!!!」と大声を出す。
そしてずんずん大股で歩いていく。
▼50代男性は怒り出す。
「誰の許可で撮ってんだ!」と、
その場所の責任者のような振る舞いになる。
* * * *
通行人と交通量は、都会特有の問題。
と書きました。
言い換えると、
郊外や静かなエリアはこの問題が少ない、
とも言えます。
特に、ドローン撮影などは、
間違いなく地方在住の方の方が練習しやすい。
僕はワークショップ開催で
日本あちこちに行かせていただいてて、
その上で、本音を言います。
東京は撮影が厳しい!
30年前、東京で始まった僕の自主映画人生は、
警察・警備員・管理人・通行人などから逃げ回る日々でした。
「許可取ったら?」というのは
半分は、ずれた発言です。
許可を取っても、通行人はいなくならないし、
許可を取っても、交通量は減らないんです。
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