シナリオと、完成作品の違い(初心者の映画制作講座)
シナリオを書き上げます。
内容にも満足し、撮影の準備に入るとします。
しかしその"完成したシナリオ"は、その後完成する作品と、あちこち違ったものになっていくのです。
そういうことはよく起きるのだ、と知っておいてほしくて今回の記事を書いています。
シナリオという形式で完成しても、それはしょせん文字による表現です。
映画ではありません。
▼それを絵コンテに落とし込んでいきます。
すると、
「あ〜、会話が続くだけじゃ、映像として地味だなあ」
「このシーンは、部屋の中じゃなくて丘の上が盛り上がるな」
といった、紙の上の二次元の状態で変化が起きます。
▼続いて、ロケハンにいって実際のロケ地を見て変わります。
すると、
「ここに2人立っても、いまいちだな」
「雑草が多すぎて、イメージと違うなあ」
といった、今度は三次元の状態で心が揺れます。
▼役者を集めます。
シナリオを持って、みんなで読み会わせをやってみます。
すると、
「言い回し、こんな風に変えてもいいですか?」
「このセリフ、どうしても理解できないです」
といった声が役者から聞こえてきます。
なるほどと納得できたら、セリフも変わることになります。
▼いよいよ撮影が始まります。
すると、
「その構図を撮るには、カメラを置く場所が無い」
「工事が始まって、別の場所で撮影しなければならない」
なんてことが起きます。絶対に。はい。
▼最後に、編集をします。
すると、
「つながりがおかしいから別のカットを追加撮影したい」
「うまく撮れなかったから、このシーンは削除」
といったことに悩まされます。
・・・これが、映画制作の実際です。
どんなに”完璧”なシナリオを完成させても、細かい部分はどんどん変化してしまう。
だからこそ、変化するものだと理解して、その変化に対応できる心構えをしておく。
これ、大事です。
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