自宅をロケ地にする注意点(初心者の映画制作講座)
映画を作る人たちが使うロケ地として、
「自宅」
という選択肢はかなりよくあるのではないかと思います。
僕は結構引っ越しの多い人生ですが、ほぼ全ての部屋で、撮影を行っています。
そこで皆さんに、自宅・自室を撮影場所にすることについてお話ししたいと思います。
まず、自宅をロケ地にすると、撮影が延びます。
それは、制限が無くなるからですね。
天気もあまり関係なくなる。
「この日に終えないと後が無い」なんてことが、無い。
また、撮影は週末に行うでしょう。
となると、数週間にわたって、撮影が続くわけです。
その間の平日ですが、一切モノが動かせません。
本棚の本、TVの前のリモコン、立てかけた鞄など、すべての位置をキープしないといけなくなります。
これ、ものすごくプレッシャーです。
コンビニで何か買ってきても、そのビニール袋を不用意にその辺に置くわけにはいきません。
一人ならまだしも、家族がいるなら、全員の了解も必要ですね。
でもね、息をつめたような生活は、しんどいものです。
そもそも、設定上1日の内容は、1日で撮影を終わらせてしまう。
『モノを微動だにさせないなんて、無理』と最初からあきらめて、スタッフのスクリプターやカメラマンなど別の人に、必ず確認してもらいましょう。
デジカメでパシャパシャ撮っておく。
なぜかというと、自宅は、変化に気付けないのです。
これほんと!
目がその光景に慣れ過ぎてて、小さな変化を見逃してしまう。
さらに、問題は小物だけじゃありません。
自宅のロケ地って、たいてい6畳一間とか、せいぜいリビング10〜12畳ってことが多いんじゃないかと思います。
役者3人、スタッフ5人もいるともういっぱいいっぱいですからね。
それだけ人がいると、荷物も自然と多くなります。
今度は、目が機材に慣れてしまうんです。
アングルを変える度に、みんなで荷物を持って右往左往する。
で、ついチェック漏れが出てしまう。
何人もスタッフがいたにもかかわらず、役者の後ろにレフ板が置いてあるのを見落としたり、といった信じられないことが起き始めます。
しかも、これに気付くのは編集の時なんです。
さて、ちなみにそんな時はどうするか?
僕は、スタッフの試写会でそのまま上映し、誰も気付かないならオッケイとしてます(笑)。
だってどうしようもないものはどうしようもないんですもの。
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