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撮影現場でOK・NGをどうやって決めるか(初心者の映画制作講座)

この記事は、「映画/動画が作れるようになるメールマガジン」の過去のものからピックアップしてご紹介しています。

撮影現場。

演技がうまくいかなくて「テイク2」。
そしてまた失敗して「テイク3」・・・

これ、テイクを重ねる、と言います。

で、例えば4回目にうまくいって「OKです」となる。
撮影の記録係は「テイク4:OKカット」などと書くわけです。


撮影現場で「どのテイクがOKかNGか」を決める。

これ、すごく普通のことなんですが、
僕は昔から、どうもこれに疑問があったのです。

プロの世界、ハリウッド映画なんかは、監督は撮影の責任者ですので、クランクアップで役目はおしまい。

その後、編集担当者に仕事は引き継がれます。


編集担当者は「OKテイク」とされているものをつなげて作業をするわけなんですね。

一方、個人映画では、そんなに組織化はされてないでしょう。
監督が自分で編集することがほとんどじゃないかと思います。


となるとね、
撮影現場でOK、NGを決めることに意味はないんですね


明らかにセリフを間違えたり、というのなら分かりやすいのですが、何となく気に入らないのでテイクを重ねる、なんてことも多いからです。

撮影現場では、一つ一つのカットのことしか考えていません。

ところが映画というのは、カットとカットの「つながり」で感情を生み出すものなんですね。

どのカットがいいか、ではなく、カットの連続で生まれる感情を目安にする。

すると、一つのカットとしては、テイク3の表情がベストでも、カットをつなげてみると、テイク4の方が自然、なんてことがあるのです。

この場合は、当然、テイク4を採用にすべきです。

よく撮れてるのにテイク3は不採用、というのは監督としては辛いですけどね。

これ、もしかしたら撮影現場では、テイク3をOKとする可能性があります。

だから、撮影現場でOK、NGを決めることに疑問があったのです。


編集の際に気をつけてほしいのは、カットごとにいいものを探してしまう、ということ。
一つのカットの良さではなく、全体を通してカットを選んでいってほしいのです。

なので、撮影時の「OKカット」というのを、僕はいつも無視します。

OKかどうかは、編集の時に決まります。

編集が面白いのは、カットを並べかえたりつなぎ方を変えるだけで、それがサスペンスになるし、温かいドラマにもなる、ということなんです。

じゃあ、撮影現場で「OKです」、と言ってるのは何なのか?

<うまくいくまで繰り返す>
という目的ももちろんですが、

<何パターンか撮っておけば、編集の時どれかは使えそう>
という目的も込められているんですね。


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