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余計なものを映さない(初心者の映画制作講座)

この記事は、「映画/動画が作れるようになるメールマガジン」の過去のものからピックアップしてご紹介しています。

ちょっとしたテクニック的なお話を。

例えば、映画を見ていて、主人公の後ろを鳥がものすごい勢いで飛んで行ったら、とっても気になるでしょう。

その瞬間、主人公が話しているセリフを聞き飛ばしたりします。


主人公の隣を、カラフルな服を着た男女が通り過ぎたら、ちょっと印象に残るでしょう。

鳥も、カラフルな男女も、ストーリーにまったく関係が無かったとしても影響を与えてしまう。


余計なものは映さない。

これは撮影現場で肝に銘じたいことです。


・何を撮るか?
・どう撮るか?
はよく話し合われますが、

・何を撮らないようにするか?
はあまり触れられない気がしています。

絵コンテを描いたり、企画を練っている時は、撮影現場で映って「しまう」ものまで気はまわりません。

だからこそ、カメラマンと何を撮って・何を撮らないか、ということも話し合っておくことが必要なんですね。


具体例を挙げます。

●たまたま電車が通る →いいのか悪いのか。
●自転車が通る →いいのか悪いのか。

以前河川敷で撮影していて、その時は見学スタッフが来ていました。

「歩行者が映るとまずいから、止めてほしい」と彼に伝えました。

そこに自転車が通りかかりました。
彼は必死で両手を振り回して自転車を止めました。

しかし、その自転車は、タイムを計っている競技練習者だったのです。

僕が言いたかったのは「立ち止まってボケーっとこっちを眺め続ける歩行者」のことであり、ビュウと通り過ぎる自転車は邪魔にならない。

そういった基準はスタッフ間で統一しておく必要があります。

●鳥が騒ぐ →どこまで許容するか。
●看板の文字が写る →いいのか悪いのか。

これ、微妙なところですね。
場所を特定するような看板は避けたいし、出来れば映したくない。
でも、どうしても映ってしまう環境もあるでしょう。

気心知れたカメラマンならそっと画面からその看板を外したり、ピントをずらしたりして看板も文字をぼかしたりするでしょう。

●歩行者の集団 →いいのか悪いのか。

映ってしまってもいいのか、どこまでならいいのか、声が入ってもいいのか、など、いろいろ気になります。

もちろん答えなんてありません。

ただ、カメラマンや他のスタッフも
「これ、映ってていいの?」という意見を出すようにしましょう。


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