余計なものを映さない(初心者の映画制作講座)
ちょっとしたテクニック的なお話を。
例えば、映画を見ていて、主人公の後ろを鳥がものすごい勢いで飛んで行ったら、とっても気になるでしょう。
その瞬間、主人公が話しているセリフを聞き飛ばしたりします。
主人公の隣を、カラフルな服を着た男女が通り過ぎたら、ちょっと印象に残るでしょう。
鳥も、カラフルな男女も、ストーリーにまったく関係が無かったとしても影響を与えてしまう。
余計なものは映さない。
これは撮影現場で肝に銘じたいことです。
・何を撮るか?
・どう撮るか?
はよく話し合われますが、
・何を撮らないようにするか?
はあまり触れられない気がしています。
絵コンテを描いたり、企画を練っている時は、撮影現場で映って「しまう」ものまで気はまわりません。
だからこそ、カメラマンと何を撮って・何を撮らないか、ということも話し合っておくことが必要なんですね。
具体例を挙げます。
以前河川敷で撮影していて、その時は見学スタッフが来ていました。
「歩行者が映るとまずいから、止めてほしい」と彼に伝えました。
そこに自転車が通りかかりました。
彼は必死で両手を振り回して自転車を止めました。
しかし、その自転車は、タイムを計っている競技練習者だったのです。
僕が言いたかったのは「立ち止まってボケーっとこっちを眺め続ける歩行者」のことであり、ビュウと通り過ぎる自転車は邪魔にならない。
そういった基準はスタッフ間で統一しておく必要があります。
これ、微妙なところですね。
場所を特定するような看板は避けたいし、出来れば映したくない。
でも、どうしても映ってしまう環境もあるでしょう。
気心知れたカメラマンならそっと画面からその看板を外したり、ピントをずらしたりして看板も文字をぼかしたりするでしょう。
映ってしまってもいいのか、どこまでならいいのか、声が入ってもいいのか、など、いろいろ気になります。
もちろん答えなんてありません。
ただ、カメラマンや他のスタッフも
「これ、映ってていいの?」という意見を出すようにしましょう。
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