うっかり映画作りを頼まれちゃったら・・・(初心者の映画制作講座)
ビデオカメラを持っている。
動画を編集することができる。
あなたがこんな状態であることが知れると、どこからともなく、「映画を作ってくれないか」という依頼が舞い込んできます。
内容は大きく2つ。
結婚式で流す映像作品
ミュージシャンのPR動画だったり、イベントの撮影だったりという、依頼者のための映像作品
そして、こういった依頼を受けるのも、大きく2種類の人たちになります。
腕に自信があり、経験も豊富なセミプロの方々
ほとんど作品を作ったことのない素人の方々
セミプロは、仕事として受けます。
そして素人は、作れる気になって受けてしまいます。
さて、この2つ目の「作れる気になってしまう素人」というのは、これまた昔の僕自身のことなんですが、これはなかなか、大変なことになってしまう訳なんですね。
映画作りを始めたばかりの頃、とある会社の社長さんから、彼の自伝映画を頼まれてしまったんです。
「監督!監督!」と何度も言われ、すっかりその気になってしまった。
素人さんがなぜ作れる気になってしまうかというと、作品が「知識と機材で作れる」と信じ込んでいるためです。
そして自分の目の前には、その両方がある(と思っている)。
だから、やめとけって言うと思いますよね?
違うんです。
こういった依頼を受けてしまった素人さんは、実は、大きく成長するのです。
依頼主がいて、たいていスケジュールのお尻も決まっている。
これは、やらないといけない状態なんですね。
言い訳ができません。
人は、言い訳ができない状況に追い込まれると、何かしらにたどり着きます。
結果、作品は出来上がるのです。
必死になって、仕上げるのです。
出来はひどいものかもしれません。
目も当てられないかもしれません。
でもね、依頼主も、もともと無料で気楽にお願いしたものです。
プロの技なんてものは求めてないのです。
結婚式のビデオだって、結婚する2人や家族の写真が写ってるだけでも感動するものです。
映像の質が感動させるんじゃないんです。
作ってあげたいという気持ちが、作品を感動的にするんです。
僕が昔作った、社長さんの伝記映画も、正直僕の中で納得できる出来ではありませんでした。
完成作品は、その社長さんのお誕生日パーティーで、100人以上の観客の前で大々的に公開されました。
僕は小さくなってうつむいていました。
終わったら、すみませんでした、と謝るつもりでした。
上映が終わるなり、その社長さんが近づいてきました。
恐る恐る顔を上げると、社長さんは、ボロボロ泣いているんです。
「こんなうれしい日はない」と何度も何度も僕の手を握りしめました。
その日は、カメラマンと2人で、ベロベロになるまで飲みました。
僕らもうれしかったんです。
個人で、一切誰からの規制もなく作品作りを始めると、どうしても”言い訳”がでてきて、完成が延期したり、そもそも撮影にすら入らないことは往々にしてあるのです。
いや、それがほとんどなのです。
できない言い訳を作って、なかなか作品を作らない「賢い」人たちよりも、どんどん前に進もうとする「ちょっと抜けた」素人さんたちが、僕は好きです。
迷わず作りましょう。
失敗しましょう。
(そしてそれは、おそらく「失敗」ではない)
困ってしまってもいいじゃないですか。
困ったら、僕に相談してください。
info@karufu.net
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