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消えモノに注意(初心者の映画制作講座)
この記事は、「映画/動画が作れるようになるメールマガジン」の過去のものからピックアップしてご紹介しています。
シナリオを読む時、僕がチェックするポイントがいくつかあります。
そのうちの一つが、
「消えモノがどのくらいあるか」
というものなんです。
「消えモノ」って分かりますか?
文字通り、撮影しながら消えてしまうもの、です。
タバコとか、食べ物とか。
これら消えモノは、あるのと無いのでは、撮影時間がずいぶんと違ってくるんですね。
準備にも、後片付けにも大きく影響します。
それはつまり、スタッフ人員にも関係してくるわけです。
具体的に、よく使われる「消えモノ」を解説しましょう。
■タバコ
アクションものなんかでは必ずと言っていいほど使われます。
しかしこれが意外とくせ者で。
タバコに火をつけて、「よーいスタート!」となればいいのですが、撮り直しの度にタバコに火をつけて・・・を繰り返すと、あっという間に1箱なくなります。
なんとも、もったいない。
火は待ってくれないのです。
また、後始末も大変です。
撮影場所の規制もあったりします。
僕は出来る限り、タバコのシーンは入れないようにしています。
■氷の入ったコップ
喫茶店のシーンや、夏の日の撮影ではよく登場します。
長時間撮影していると、氷が溶けてコップの底が水浸しになります。
コップの表面に水滴がついているような「冷えた感じ」は、時間が経つとなくなります。
最初からそういう設定にしない方が無難かもしれませんね。
夏は特に注意です。
あと、コップの水の減り具合もね。
■ビール
コップの水に近いですが、ビールは泡がたってないと美味しそうに映りません。
でも、ご存じのように泡が無くなるスピードが早いこと早いこと。
以前、居酒屋さんのシーンを撮影していて、撮り直しを繰り返したことがあります。
すると、ビールを飲む役の役者がだんだん、ミスが増えていったんです。
彼はお酒が弱く、すっかり酔っぱらっていたのでした。
■食事
レストラン、とまで言わないまでも、部屋の中で何かを食べるシーンって多いと思います。
映像に映る料理は、温かいのか冷めているのかは、すぐ分かります。
特に、料理に箸をつけたりすると、あったかい料理ならもわっと湯気が立ちますよね。
また、作りたての料理なのか、レンジで温めなおしただけなのかも意外とすぐ分かってしまう。
撮影は、数回の撮り直しなんてざらです。
料理のシーンが大変なのが、伝わったでしょうか。
他にもいろいろありますが、言いたいことは、「消えモノ」の量によって撮影の内容や準備が変わってくる、ということです。
頭に入れておきましょう。
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