映画制作ワークショップ"第一回"の思い出
初心者だけが参加できる、
カルフの映画制作ワークショップ。
もう20年もやってるので、
時々忘れそうになりますが、
このワークショップにも
<第一回>
があったんですよね。
そのときの思い出話をしてみたいと思います。
* * * *
20年ちょっと前の2003年のこと。
当時、僕のホームページに問い合わせが止まりませんでした。
毎日毎日、
ときには1日に何通も、
「映画を作りたいんです」
というメールが届く。
まだ自主映画制作歴10年そこそこの僕には、
偉そうにアドバイスなんてできません。
だから、
相手の立場をイメージして、
できることを必死に考えて
一通一通メールに返信していました。
例えば、
・学生ならこんなことができる、
・社会人なら土日しかないからこうしよう、
・ミュージシャンなら
ミュージックビデオを企画しよう、
そのためにはこれがあるといけるんじゃないか、
・役者志望なら
こうやって映像作りの人と知り合えるかも、
・・・一通のメールに、
ときには2時間くらいかけて
考えて考えて、返信する。
すると、
そのメールにまた返信が来るんです。
「自分じゃできないから、
カルフさんに参加させてもらえませんか」と。
僕はこれらのメールを見ながら、
パソコンに向かって叫んでました。
「これだけのメールに対応してると、
僕自身が映画を作る時間がとれないんだ!!」
<映画を作りたいのに、どうしていいかわからない>
そんな人たちの気持ちがわかるから、
なんとかできることはしてあげたい。
でも!
相談に乗り続けてたら、
それだけで僕の時間は消えてしまう!
仕方なく、相談者を週末、集めることにしました。
メールではなく、一括で終わらせてしまえる。
しかも、彼らが集まれば、
彼ら同士で映画を作れるかも。
これで、万事解決だ!
* * * *
ところが現実は異なりました。
今度は、大勢の
スケジュール調整に追われることになります。
しかも、調整したにも関わらず、
当日電話番号がつながらないとか、
遅れてくるとか、
日程を間違えるとか。
集まっても、
誰も話さなくてシーンとしたり、
作りたい映画もバラバラで意見がまとまらなかったり。
「もっとちゃんとしてると思ってました」
とか言うなよ!
なんで俺、クレーム言われてんの??
・・・その中から人を選んで(笑)、
実際に映画を作ってみることにしました。
これが、のちのち、第一回になります。
集まりやすかったのは、東京の新宿駅。
集まってゾロゾロと新宿駅のまわりを移動する。
「じゃ、この辺がいいかな」と
カメラを出した途端、目の前に警備員が立っている。
「ここで、何やってんの?」
その後20年にわたって続く、
ワークショップの記念すべき1カット目は、
警備員に止められたのでした。
* * * *
ワークショップが、
ようやく形を成してきたのは、
第3回くらいからかなと思います。
よく、3回目まで続けたな、と思いますよね。
僕もそう思います。
実は1回やって、
すぐに止めようとしたんですが・・・
・・・止められなかったんです(苦笑)
次から次へと、
「参加したい」
とメールがくることになってしまった。
止められない、というか、
「逃げられない」という表現がしっくりきます(苦笑)
長年、ワークショップをやったり、
映画作りの相談にのったりしていると、
多くの人の共通点に思い至ります。
みんな、
「映画が作りたい」と言う。
僕が知ってる知識なら、
何もかもいっくらでもお伝えする。
でもね、
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映画が進まない理由は、
知識が無いことじゃないんです。
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一般的に、
映画学校や映画教室は、
肩書きのすごい先生が、
すごい経験とか知識を話してくれる場所、
かもしれません。
でも、僕が主宰する
カルフの映画制作ワークショップでは、
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初めての人たちが集まって、
2日間で最後まで走り切る環境
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を提供している。
まずは一度、作っちゃう体験をする。
そこから見えてくる世界が、ある。
知識なんてあとづけでいい、
というスタンス。
だから、参加した後も、
僕は丁寧にすべてのご相談に返信します。
無料で。いつまでも。
今年の10月に開催する次のワークショップ。
先日募集開始しました。
すでにポツポツとお申し込みが入っています。
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第28回映画制作体験ワークショップ
(東京開催)
10月5日(土)/6日(日)
https://eigaschool.com/
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気になることがあれば、ご連絡ください。
「一通一通、丁寧に返信する」
という僕の言葉の意味が、体験いただけると思います。