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シナリオ通りに撮っちゃダメ(初心者の映画制作講座)

この記事は、「映画/動画が作れるようになるメールマガジン」の過去のものからピックアップしてご紹介しています。

原作小説があって映画化される作品があります。

でもたいてい、原作は分厚いのに、映画は2時間程度。
あきらかにボリュームが少なくなってます。

こんなに長い原作をどうやって映画化するの?!
なんてよく話に上がりますよね。


文字の表現と映像の表現には違いがあります。
そもそも、小説と映画は「時間経過の概念」が根本的に違います。


小説→シナリオ という変換は、時間の流れを変更すること
という考え方もできるのかもしれません。

それでも、シナリオというのはまだまだ「文字」の作品です。
さらに、「文字」を目に見える「映像」にしなきゃいけません。

ちょっと、概念的な説明が続いてしまいました。


要点を書くと、
★シナリオをそのまま丁寧に映像にする必要はないんだ、
ということが言いたいのです。

映像って、考えている以上に、雄弁なんです。

シナリオにはト書きがあります。
役者の動きやその場の状況を解説する部分ですね。

そしてセリフがあります。

ここを、丁寧に一つ一つ映像化しがちなんですね。

具体的に見てみましょう。

原稿を映像に変換すると、セリフがシンプルになる、という事例です。

(シナリオ)殴りかかる友人を「そんなことするなよ!」と止める
 ↓
(映像)友人にしがみついて「おいっ!!」

(シナリオ)コーヒーを飲む恋人に、「ミルクいる?」と聞く
 ↓
(映像)ミルクを持ち上げて「いる?」と聞く

いかがでしょうか。
映像版の方が自然だと思うんです。

シナリオのセリフは、つい説明口調、解説言葉になりがちです。
しかし、映像に映っているものだけで明確なことも多いのです。

個人映画でありがちなのは、映像で見せておきながら、セリフでも再度繰り返して説明しちゃうことです。

先程の例で言うと、ミルクをアップで映しておきながら、「ミルクいる?」と聞く。

これ、ミルクがダブってます。
まるで「頭痛が痛い」みたいに。


必要が無いのに映像とセリフがダブると、
ちょっとうるさく感じてしまいます。

※大事なキーワードとなる小道具を、繰り返し印象付ける、という例外はあります。

書かれたシナリオに、絶対服従じゃなくていい、と意識しましょう。
映画がスッキリ自然になるはずです。


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