「スタッフに任せたいのに、意見が出てこない・・」優しい監督の悩み(初心者の映画制作講座)
今回は、監督とスタッフの間の、よくある衝突についてお話しします。
やる気のある監督さん、自主映画のリーダーから、こんな悩みが時々届きます。
「みんなで作りたいから、スタッフそれぞれ、やりたいようにやってほしい。でも、スタッフは皆、指示が欲しいって言うんです」
カメラマンには、構図や撮り方を自分で考えてほしい。
照明を当てる人は、やりたいようにやってみてほしい。
監督さんは、そう考えるわけです。
そうすれば、一方的に指示されるんじゃなく、スタッフは自分の役職に対して愛着もわくし、作品がより身近なものになる、という監督の意図ですね。
監督さんからすると、ものすごくスタッフ想い、作品想いの発想です。
ところが。
スタッフはそうは思わないんですね。
「監督は何も指示を出さない」
「どうしたいのか、分からない」
スタッフ想いの監督は一転、スタッフにとって頼りない、不安な人に成り下がってしまうのです。
監督さんは言います。
ワンマンな監督にはなりたくないんです!
みんなで協力して作りたいんです!
これ、できたばかりの映画団体や、大学のサークルの新人監督が、多く持つ共通の悩みなのです。
そんな悩みを持つ監督さんたちに、まず知っておいてほしいことがあります。
自分で構図を考えられるカメラマン、
機材を使いこなして工夫する照明さん、
劣悪な環境でとっさの判断ができる音声さん、
そんな人は、そうそう見つかりません。
残念ながら。
実は、スタッフさんたちのほとんどは、指示を待ってます。
具体的にどうしたらいいのかを教えて欲しがってます。
何を求められているのかを知りたがってます。
撮影現場は【イレギュラー】の嵐です。
自分で考えて、監督に「どうよ、これ」なんて言える人、いないんです。
そこまで、自分の技術や判断に自信はないのです。
そこまで、任されている仕事に、責任はとれないのです。
結論です。
特に決めてないから、自由に撮影していいよ、なんてのは最悪です。
監督さん、うるさいくらいに細かく指示を出すべきなんです。
すると、「ここはこうじゃないかと思うんです・・」などと言ってくる。
それがまさに、スタッフの意見です。
まず、監督の指示をぶつけて、素直に仕事をしてくれるならよし、意見してくるなら議論する。
それが、お互いのやりたいようにやる、ということなんです。
しかし。
強く細かく、自分だけの指示を通したい監督もいます。
その場合は、それを許容するようなスタッフを集めるべきなんですね。
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