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ロケ地として部屋を借りるときの注意(初心者の映画制作講座)

この記事は、「映画/動画が作れるようになるメールマガジン」の過去のものからピックアップしてご紹介しています。

監督や制作陣は、こと撮影となると盲目になる。

・・・というお話です。


ロケ地が独り暮らしの部屋、もしくは6畳一間なんていうのは、僕の感覚では80%以上の自主映画に登場するシチュエーションです。

つまり、
個人で映画を作っている人の多くは、独り暮らしの部屋を探しています。

で、
友人知人のつてを使ってロケ地候補を探しまくります。
すると、「いいよ」と言ってくれる人が現れます。

そこで、
「やった!」と、すべてをOKにしてしまいがちなんです。


当日。

撮影隊は意気揚々と部屋に乗り込みます。

部屋を貸した人は、その大騒動にびっくり仰天!
「こ、こんなに人が来るの・・・?」と。

最初は気を遣っていたスタッフも、時間が過ぎていくと、だんだん地が出てきます。

下手すると、部屋の主に「すみません、ちょっとどいてもらえませんか?」
なんて言葉すらかけてしまう。

「もうちょっと、静かにしてもらえないかな」
部屋の主もじんわり不機嫌になっていきます。

そして、時計を見てはため息をつくのです。
「いつ頃終わる?」と。


夜遅く撤収が完了し、制作担当が部屋の主に駆け寄ります。
「今日はありがとうございました!」

そこで部屋の主は答えます。
「あの、悪いんだけど、来週以降の撮影はお断りするよ」


自分の部屋が撮影に使われることのイメージができている人は、ハッキリ言っていません。

でも、撮影隊はロケ地でどの程度のことをするのかを事前に説明をしません。

できないのです。

なにしろ、彼ら自身がロケ地をどうするか、見えていないのですから。

基本的に、

  • 部屋を撮影に使われるのは迷惑なものなんだ、と理解してください

  • 撮影をしたい皆さんは、ものすごく迷惑な存在なんだ、と理解してください

自主映画は、週末ごとに撮影することになるでしょう。
撮影が複数の日にまたがる場合、部屋はそのままの状態で数週間キープしないといけないんです。

これ、そこに住む人にとって恐ろしく苦痛です。

僕は1か月間、自分の部屋を撮影に使ったことがありますが、住んでいて自分の家のような心地がしませんでした。

朝から晩まで、なんとなく気を張り続けてる。

読み終わった新聞、脱いだ上着、TVのリモコン、食べた後の食器・・・
全部、位置が決まっているわけですから。
本棚の本は動かせません。花なんか飾ってたら大変。


6畳一間のロケについて、まとめます。

  • 基本的に、監督の部屋(家)を使うこと。

  • 知り合いの部屋を借りるときは、最低でも1日で撮影が完了する内容とすること。
    (準備から撤収までを、常識的な時間内に収めること)

  • 迷惑がかかりそうな撮影の場合は、きちんとお金を払って借りられる場所を確保すること。
    (迷惑をお金で解決、ということです。知り合いとの関係が悪くなった場合、お金では取り戻せません)


最後に。

「知り合い」というのは「家族」とも言い換えられます。
監督の部屋を使えばOKかと言うと、これもまた微妙です。
監督に家族がいたら、その許可も大変です。

自宅を撮影に使った監督は後日、家族からたっぷり嫌味を言われ、二度と使わないことを約束させられることでしょう。


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