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音声さんは邪魔だ!?

映画づくりにおいて音声とは、映像と同じくらい、いや下手したら映像以上に大事だし難しい、というお話をしてきました。

しかししかし。

自主映画の初期段階では、音声さんはどうしても軽んじられてしまいがちです。

なにしろ、音声さんは邪魔で仕方ない存在なのです。


ちょっと想像してみましょう。
撮影現場では、音声さんはどんな感じなんでしょうか。

音声さんの姿を追ってみたいと思います。

 * * * *

監督が役者を集めて演出について話しています。
現場では、カメラマンを中心に、照明さんたちが絵作りに一生懸命になっています。

そんな中、音声さんは皆の邪魔をしないようにスタンバイしておきます。
片手でマイクポールを、もう一方の手で長いコードを持つ。

これがカルフの音声さんのスタイルです。

撮影スタートになると、長時間ブームを持ってないといけませんから、撮影準備段階ではなるべく腕を休めておきます。

音声さんは現場ではいつも最後に登場!です。

まず監督から役者に演技の指示が行って、それからカメラがセッティングされる。

マイクは最後に、カメラに映らなくてしかもなるべく役者の口に近い場所を探して近づきます。

実は、音声さんは、絵コンテをしっかり把握しておく必要があります。

これから撮影が行われるカットが、どこからどこまでを撮影するのか、何を写そうとしているのかを知っておく。

そうしないと、撮影がスタートして、

“どこまで自分が役者に近づいてもいいのか”が分からない。

そして、どんなセリフを自分が撮る必要があるのか。
しっかり把握していないと音声撮りができないんです。

役者がぼそぼそつぶやくかもしれない。

唾をごくりと飲み込むシーンかもしれない。

急に叫ぶのかもしれない。

さらに、役者の動きも重要です。

どこからどこへ動くのかを把握して、マイクを役者に沿って追わなければなりません。

まだあります。

カメラも照明も、映像のためにすたんばってますので、立ち位置はカメラの後ろ側です。

ところが、マイクは役者に近づこうとします。

ふっと気を抜くと、画面にマイクが入ってしまうんですね。

そうじゃなくても、外だったら影が地面についてたり、あと車のガラスに思いっきり映ってたり。

役者のテンションが上がり、お日様も一瞬雲から顔を出し、完全な絵が撮れた!!

と思っていたらマイクが画面に入っていた!

・・・なんてことは、考えるだけでゾッとします。

いやあ、大変ですよ、音声さんは。

いつの頃からか、僕は音声さんに対して一番優しくなっていました。笑

音声さんはどうやって動いていけばいいのか。

そんなことも今後お話ししていきます。


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