今に至る
私が3歳の時に、妹が生まれた。ちょうどその頃に、叔父の結婚式があった。出産直後で大変な両親らは留守番で、祖父母が私だけをその結婚式に連れて行ってくれた。このことについては、私は全く覚えていない。もう亡くなった祖母が、何度もこの結婚式の出来事を私に話してくれた。
親戚がたくさん集まって、ホテルの大きな宴会場で披露宴があった。私より少し年上のいとこ、たぶんそのころ小学校1年生くらい。彼女が余興として童謡を1曲歌うことになっていた。いとこは呼ばれてマイクスタンドの前に立ち、上手に1曲歌い終えたらしい。その場にいた人たちから大きな拍手も起こり、とてもほめられたようだ。それを見た3歳の私は、自分も歌うとごねだした。自分もあのマイクスタンドの前に立って歌う、歌わせてくれ、と。そして、大人たちは私のやりたいようにやらせてくれたらしい。
私は一人でマイクスタンドの前に立ち、無伴奏で「いぬのおまわりさん」を歌ったそうだ。3歳児が出てきて歌えば、そりゃあうけるだろう。こちらも拍手喝采だったようだ。
いや、どれだけ目立ちたいのだ私は。今も同じようなことをやっている。何十年も同じことをやっている。