【Creative Review】可視化されることの効用〜WEBのモラルはどこから生まれるのか〜
・Reference info
「Grab」
https://www.grab.com/sg/
今回は、東南アジア最大の配車サービス”Grab”についてご紹介します。Grabはマレーシアでスタートした配車アプリです。マレーシアの他にも、フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナム・インドネシア・ミャンマー・カンボジアなどといった東南アジアの国々で事業を展開しており、配車サービスの成長に伴って、現在では配送・フードデリバリー・金融サービス・旅行予約・オンライン医療など、様々なサービスを提供しています。
昨年私自身がマレーシアに行く機会に恵まれまして、その際実際にGrabを使ってみました^ ^ オンラインで生活のあらゆることが完結できるという利便性や、そのサービス価格がリーズナブルであることもさることながら、それにもまして、Grabを利用することによって、信頼してサービスを利用でき、安心してマレーシアでの生活を送ることができるという印象を持ちました。
例えば、配車サービスやフードサービスでは、全ての料金とドライバーの情報が利用前にアプリ上で明示され、確認することができます。支払いもオンライン決済ですので、海外でよくある、いわゆる”ぼったくり”にあうことはありません。また、サービス提供者である各ドライバーはサービス利用後、利用者に評価されますので、悪事を行うとアプリのシステムに全て反映される仕組みになっており、悪い事をするメリットがないような仕組みが出来上がっています。
マレーシア滞在中に私の子どもがGrabタクシーから降車後、車内にバッグを置き忘れたことがあったのですが、ヘルプセンターにチャットで助けを求めると、即返事があり、すぐにドライバーに連絡をとってくれて、降車してから10分程度でドライバーが忘れたバッグを届けてくれたということがありました。
海外のタクシーで(お店でも)忘れ物をして戻ってくるというのがそもそも奇跡だと思いましたし、アプリとドライバーのスピード感のある対応にも非常に驚きました^ ^/
これはドライバーが良い人だったということもあるとは思いますが、Grabというアプリのシステムがよくできているからではないかと感じました。全ての情報がアプリ上で可視化され、アプリ運営者によってうまくマネジメントされており、サービス提供者の全ての行動が評価につながっているということが、背景にあると思います。
まだまだWEB上で具体的に可視化されていない専門的な情報や業界特有の情報などは、たくさんあると思います。可視化することによってリスクにさらされることもありますが、他人の目に触れることによって、そのマイナスのリスクと同程度のプラスのこともあると思います。情報をオープンにしていくことによって、どのような変化が起こってくるのか、観察を楽しむような目線で取り組めると、面白くなっていくように思います^ ^