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初めての採卵は空胞に終わる【不妊治療と休職 #5】

こんにちは。もうすぐアラフォーのキャリア女子、不妊治療&休職中のかえる🐸です。

今日は、以前投稿した初めての採卵周期に関するnoteの、続きを書いていきたいと思います。


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採卵の流れ


初めての採卵周期で十分成長した卵胞は1つだけ。この1つを大切に育てて、それが良い胚盤胞になればいいな。そんな思いで1回目の採卵に挑みました。

採卵日は採血せずにすぐ移植用のフロアに移動し、看護師に言われるがままに着替えをして、割りあてられたベットで待機しました。フロアにはベットが10床くらいあり、ベットにふられた番号の順に呼ばれていく仕組みです。まずは事前のトイレに呼ばれ、次は手術室前の待機場所に呼ばれ、そして手術室に呼ばれる、そんな流れです。

ベットとベットの間は一枚のカーテンで仕切られているだけなので、隣のベットの方がトイレに呼ばれると、あ、次は私の番だな、とわかります。待っている間に、ブラジャーとインナー(袖なしに限る)以外は脱ぎ、使い捨ての手術ぎを羽織っておきます。

ちなみに、メイクとネイルは禁止。メイクをしていると顔色の変化(青ざめたり)を察知できず、何かあった時に器具を取り付ける際ネイルは邪魔になるからだそう。

手術室に入ると、まず名前と住所が本人のものか確認し、体重計に乗ります。その後、そのまますぐ手術台へ向かいます。手術台と言っても、婦人科の“股を開く椅子“と似たようなセッティングです。

手術台に座るとすぐに、医者や看護師、培養士たちが仕事に取り掛かり始め、ほぼ息をつく暇はない状態。あれよあれよという間に器具を入れられ、消毒が始まります。

確かに無麻酔でもなんとかなる

採卵作業に直接関わっている人間だけでも4-5人はいたと思うのですが、そのうちの1人の看護師は私の耳元で、今やっていることをつきっきりで解説してくれていました。

右のモニター見てくださいね、これから針が入りますよ。この黒いものが卵胞ですよ。今針を刺して吸い出していますよ。卵胞が小さくなっているのがわかりますか。これが見えなくなったらすぐ終わりますよ。などなど。

何をしているのか説明を聞き、それに頭を集中させるだけでも、少しは気が紛れるものです。

私の通う加藤レディースクリニックでは一般的なものより細い採卵用の針を使っていて、無麻酔で採卵を行います。メリットとしては、時間拘束が短いこと(麻酔から覚める必要なし)、そして、体への負担が少ないこと(麻酔後は疲労感ありがち)。

気になる痛みの度合いですが、針を刺す時はヂクッとするだけでまだ余裕だったものの、卵胞をもうすぐ吸い終わるくらいから嫌な痛みがありました。

確かに無麻酔でも大丈夫な痛みではあったものの、卵胞を吸い切る時だけは体に力が入り、顔もしかめ、「ゔぅ」という声が漏れていたと思います。この間も私は画面を見ているのですが、痛みを感じていた時にモニタ上で卵胞はもう見えておらず、「なんで止めないの、0.1秒でも早く止めてくれ〜」っと念じていました。

今思えば、医者や看護師がすぐに止めなかったのは、卵子が見えなかったからこそ最後ギリギリを攻めて吸ったからなのだろうと思います。2回目の採卵の時には心の余裕が少しあり、最中に培養士が吸い出した内容を確認しているのが見えていました。そして、この時はギリギリまで攻めなかったせいか、1回目ほど吸い切る時の嫌な痛みはなかったのです。


結果を受け止める

初めての採卵では私の心に余裕がなく、周りの看護師や培養士がどういうやりとりをしているか全く見えていませんでした。ただただ、終わったことに安堵し、何も考えずそのまま休憩用のベットに移動しました。

ベッドに入って一呼吸おいてから、旦那にLINEを入れようとした瞬間、看護師がカーテン越しに声をかけてきました。そのまま中に入ってくると、すぐさま1枚の紙を私によこしながら「今回は残念でしたが…」と話始めたのです。


『え?』 


心の準備もない状態で急に突きつけられた悲しい出来事に、私の頭の中は真っ白になりました。


事前の医者の説明で、採卵しても必ず卵子が取れるわけではないと聞いていましたが、まさか私がそれを引き当てるとは... 私の初めての採卵は、空胞に終わったのでした。

旦那にすぐLINEしようにも、なんと書けば良いのかすぐ思いつかずにいると、彼の方から「卵子取れなかったて聞いたよ」と連絡が入ってきました。

それを見た瞬間、涙がポロりとでました。うまくいけば、採精室に呼ばれていたわけで。スタンバイしていた旦那が看護師に呼ばれてその報告を聞いたのだと想像すると、心が苦しくなりました。

ショックでとにかく悲しい気持ちと、物分かり良く受け入れようとする気持ちが私の中でバランスをとっているが故に、この日の私の感情は凪のようでした。

なんで空胞なの?

15分程度ベットで休憩した後、止血で詰められいた長ーいガーゼをトイレで取り出し、問診室のあるフロアへ移動。そして、医者から改めて空胞だったとの説明を受けました。

前回の周期の卵胞が完全に消失せずそのまま残ってしまい、その古い卵胞が再度育ってしまった可能性が一番ありうる、ということでした。

「空胞が続くことは稀だから、これからまた次の周期に向けて準備していきましょう。卵胞をリセットするためのピルを処方しますね。」

そんなことを医者から言われ、希望を失う必要はないのだと頭では理解した上で、その日は帰宅しました。(心ではまた繰り返すのではと心配でたまらなかったです。)

おわりに

初めての採卵は失敗に終わったのですが、これをきっかけに「卵子の質をあげるための努力」というものをしていくようになります。

また、旦那は空胞だったのが応えたようで、これまで以上に「今父親でないこと」を嘆き、ネガティブ傾向になります。これをずっと横で見ているのもストレスに感じ、私なりの解決に動きます。

次回のnoteでは、旦那のこの時の感情を少し考察してみたいと思います。


2024年12月6日
🐸

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