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腹腔鏡手術で左卵管を失くす 【初めての妊活 異所性妊娠編 #2】
こんにちは。もうすぐアラフォーのキャリア女子、不妊治療&休職中のかえる🐸です。
総合病院での外来初診から急遽入院・手術となり、怒涛の展開で始まった異所性妊娠編。今回は、異所性妊娠の手術について書いていきます。
目覚めてすぐ、次の手術を知らされる
化学流産を疑っての子宮内容除去術を終えた翌朝、hCGが減らなかったことを医者から知らされました。その日の正午あたりに手術室の空きが出そうだということで、そのまま腹腔鏡による摘出手術を実施することが決定。
またもや手術なので、ご飯は引き続き何も食べられません。外来初診前の朝食が最後のご飯だったので、これで約24時間の絶食状態となります。
面会時間は午後からとなっているので、手術まで旦那と直接会うことは叶いませんでしたが、入院してからずっとiPadのFaceTimeを繋げっぱなしにしていたので(これは退院までずっと続きました)、手術まで色々とおしゃべりして時間を潰すことができました。
いざ手術室へ
2度目の手術。今度は正真正銘、お腹に傷をつける手術です。
事前準備としては、手術中の血栓予防のためにきっついストッキングを履きます。圧迫系のストッキングを履いたことがなかったのと、色が白と緑のバイカラーだったのもあり、ものすごい違和感。
そして、看護師と一緒に、自分の足で、手術室に向かいます。
今回、全身麻酔とはなるのですが、手術室に入って自分で手術台にあがることは変わらず、手術台にあがった私は恐怖で息が荒くなっていました。
麻酔が始まると、「眠くなってきたら言ってください」なんてことを言われたように思います。しばらくして、「まだ眠くないですか?」と聞かれ、『麻酔の効きが遅いのかなぁ』と思ったのが、最後の記憶です。
無事手術が終わり
そして、気づいたら、手術室の強いライトが目の前に。
私の名前を呼ぶ人がいて、意識を確認されました。そして、執刀医から「無事手術が終わりました。左卵管を摘出しました。」などと、手短な報告があり、そのまま病室に連れて行かれました。
今回については、手術後どのように病室で目覚めたのか、ほぼ記憶がありません。ただ、面会時間が始まり、旦那が入室したところでは、目が覚めていたように思います。
まもなくして医者が病室にくると、改めて手術の結果を報告してくれました。
「麻酔で覚えていらっしゃらないかもしれませんが、左卵管に妊娠組織と思われるものを確認でき、摘出しました。」
そのようなことを言われ、『いや、全然覚えてるし』と、心の中で思ったことをなぜか覚えています笑。
結果的に左卵管の摘出だったというのは、少し面白くて。というのも、エコー検査から右卵管に疑いがあると医者は考え、手術も右卵管をまずみる計画となっていたのです。
ただ、私は左側に「ピキッピキッ」と刺すような痛みを何度か感じており、それも念の為医者には伝えていました。結果、検査で怪しいと思われた右卵管部分は、異常妊娠の継続で卵巣が腫れていただけで、痛みを感じていた左卵管が正解だったのです。
本当に、開けて見てみないと、わからないものだったようです。
回復に向けて
手術後の私は、腕には点滴が入り、胸元には心拍をとるための吸盤(?)がつけられ、下の方には尿管を刺され、超重症患者かのような姿となっていました。
この日、全くと言っていいほど体を動かすことはできず、痛みで寝返りも打てない状態。それでも無理に動こうとすると傷口が裂ける気がして、怖くて動けなかったです。また、腕に刺した太い点滴の針も、体を動かしたら悪い方向にずれそうで、それも恐ろしかったです。
この点滴がまた、私にとっては厄介で。というのも、私は注射の時は目を背ける派でして、とにかく自分の血が出ているのを見るのが嫌なのです。で、この点滴というのは、中身がなくなると、血液がチューブを逆流してしまい、赤いものが見えるんですね。そういうものを見たくない私は、体の際どいところを突かれているようなゾクゾクする嫌悪感を、点滴パックがなくなるたびに感じていました。
さらにこの点滴、パックの残量が減ると、ブザー音で交換のタイミングを知らせるのですが、それはそれは人の不安を煽るような音色でして。看護師がすぐ来ないのが嫌で、私はいつもベルを鳴らしていました。
病室では特にやれることもなく、ほとんどの時間、私は旦那とFaceTimeで話をするか、仕事をしている旦那を横目に動画配信サイトでドラマを見たりしていました。(ちなみに、なぜかSTACシリーズを見始めたのですが、今とほとんど変わらない当時の都会の女性の葛藤が描かれており、結構楽しめました。)
就寝時には静かにするのですが、それが故に、脚に取り付けてあるマッサージ機の音が響きます(血栓予防のために2−3日24時間つけっぱなし)。普段なら気になって眠れないはずなのですが、旦那が用意してくれていた蒸気アイマスクとナイトミン耳栓のおかげで、すんなりと熟睡することができました。寝る前に考え込みがちな私でも、全てシャットダウンすることができ、この商品には本当に助かりました。
以降は徐々に回復し、立てるようになったり、寝返りを打てるようになったり。術後2日目の夜くらいには食事も全粥食から常食に変わり、どんどん普段の生活を行えるようになってきました。
術後3日目には、病院内を歩き回ることができるようになり、コンビニにケーキを買いに行ったりもしました。
術後4日目以降には、スケジュールを変えずにいた社外とのミーティングも執り行いました。冒頭では、諸事情で入院先から入っているためカメラはオフにさせてもらうことを伝え、心配・同情・驚きの声をもらいつつも、特に支障なく進めることができました。
もちろん、痛みもあるし、通常以上の集中力は必要でしたし、ミーティング後は本当に疲れたのですが。リスケすることで後々大変になるよりは、意地でも予定通り進める方がトータル楽だと、当時の私は思っていました。今振り返ると、ここまで仕事頑張らずに、自分と向き合う時間に当てた方がよかったなと後悔もありますが…ここで可能な限り頑張れたことで、後日吹っ切れることができたとも思っています(また後の記事で書きます)。
手術後の痛み
全6泊の入院期間中、一番辛かったのは術後2日目くらいだったと思います。
1日目はとにかく体が動かず、麻酔の影響からか意識もはっきりしているわけではないので、身体中痛いけど何が何だかわからない、という感覚でした。
でも、2日目には感覚がはっきりし、どこが痛いか敏感にわかるので(お腹の子宮のあたり、点滴を指しているあたり、等)、一番辛さを感じました。
入院期間中、痛みの度合いが一番強かったのは、お腹の中(切除された部分?)と傷口部分だったのですが、それ以上に気になるのは鎖骨や肩のあたりの痛みでした。ものすごくひどい肩こりのような痛みで、マッサージをしても一向に良くなりません。
これは、腹腔鏡手術の副作用らしく、術後も体にガスが溜まることで、鎖骨や肩の痛みにつながるそうです。
腹腔鏡下胆のう摘出術や婦人科領域の腹腔鏡手術において、術後に肩の痛みがでることがあります。お腹にしか傷がないのに、肩が痛むというこの現象には様々な原因が考えられています。手術中お腹を膨らませるために使用する二酸化炭素ガスを原因とするアシドーシスによって横隔膜や横隔神経が刺激されて痛みが生じるメカニズムや、気腹による腹膜や横隔膜の進展によるものが報告されています。治療介入が必要なことは少ないとされますが、手術部位とは関係ない部位の痛みのため不安に感じられる方もいらっしゃいます。
https://coku.jp/laparoscopicsurgery-sholderpain
ちなみに私の場合、この症状は退院後も続き、2週間ほど経ってからようやく肩の痛みは無くなりました。(医者に、整体に行ったらマシになりますか?と聞いたところ、何も効果はないでしょうと言われました…)
心配するくらい献身的だった旦那
入院期間中、起きているときはずっとFaceTimeをつけて見守ってくれた旦那。
面会のために外出する際にOFFし、帰宅したらすぐにON。お風呂の時やトイレの時も、リビングを映しておくことで安心感を与えようとしてくれました(効果があったかはわからない笑)。
家にある食材を鍋に入れただけの料理を披露してくれたり、こちらから調味料の指示を出したり。
彼の献身のおかげで、流産したことや卵管を1つ失ったことをメソメソ気に病むことなく、とりあえずは精神的に安定した状態で回復・退院することができました。
これからのことは、帰ってから考える。それで私は結果的に良かったと思っています。
おわりに
今回は、異所性妊娠の手術と入院時の様子について書いてみました。
経過確認の受診や最終診断のタイミング含め、以下に時系列をまとめているので、気になる方はご覧ください。
次回、退院から経過確認にかけて医者と話した内容をもとに、卵管を1つ切除したことの妊娠率への影響や、まず必要となった治療について書いていきたいと思います。
2024年10月27日
🐸
異所性妊娠の手術・入院 時系列まとめ:
5/23(木): 午前に診察。対応方針が決定し、即入院。この時点でhCG濃度は5012.6(mIU/ml)。夕方には流産の手術(子宮内容除去術)を行う。(妊娠7週5日)
5/24(金): 前日の採決の結果、hCG濃度は5260.9で減少せず。昼頃に腹腔鏡手術で異所性妊娠を疑う部位を切除。絶対安静。尿管挿入し自力ではトイレに行けない。血栓防止のため、定期的な体位変換を看護師にしてもらう。
5/25(土): hCG濃度1669.5、大幅に減少。病理検査の結果はまだだが、異所性妊娠だったこと、そして、その切除に成功したことはほぼ確定。午後には少しの歩行ができるようになり、尿管を抜く。
5/26(日): 行動範囲広がる。常食に戻る。シャワーも浴びれる。
5/27(月): hCG濃度451.6、さらなる減少を確認。病室から電話会議に出る。
5/28(火): だいぶ自由に歩けるようになる。病室から電話会議に出る。
5/29(水): 退院。6泊7日の入院生活が終わる。
6/6(木) : 退院から約1週間後、経過確認。病理組織診断の結果が出て、異所性妊娠の確定診断が出る。
6/20(木): 最後の経過確認。hCGがほぼ0となったことを確認する。