夏の終わりに想うこと。
夏の終わり、という言葉が好きじゃない。
それまでは夏の終わりというと、単純な夏の終わり――夏祭りや花火大会の後のあの熱が冷めていく感覚を思い出す程度の、単なる『季節の移り変わり』だと思っていた私を変えたのは、ネットの――いや、SNSというサービスに登録するようになったからだった。
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夏は嫌いだ。
暑さで思考回路がマヒし、普段ならありえない状況下で怒りの感情を覚え、簡単にトリガーを――それまで良好だった人間関係を容易に破壊するためのトリガーを、怒りの感情に任せて簡単に弾いてしまうからだ。
SNSに登録することで、私は様々な人々と交流を続けてきた。
中にはオフ会という形で直接会った人もいたし、コミュニティを形成して様々なイベントやコラボを行った人もいた。
それらの関係があっさりと崩れたのは、ほとんどが8月の下旬――そう、この夏の終わりの時期だったのである。
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偶然だろう、と言う人もいるだろう。
そもそもお前が人付き合いを避けてるからだ、と言う人もいるだろう。
だが、それぞれが破たんする要因を思い出せば、そのいくつかの個人的な別れは私のせいだとはいえ、コミュニティに関しては少なくとも私がどうにかできたものではなかったのははっきりしている。
それは『コミュニティ内での痴情のもつれ』であったり、『荒らし行為による破壊』であったり『部長の私的な問題を善意の第三者が勇者であるかのように誇らしげに責め立てた炎上騒ぎ』であったりと、しばらく経って落ち着いて振り返ってみると『あれは何だったんだろう』と私自身が首をかしげる程度の『ささいな問題』で、ネット上における人間関係はいともあっさりと崩壊したのである。
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今年もまた、夏の終わりがやってくる。
今のところ大きなトラブルやいさかいは発生していないが、まだ8月が終わったわけではない。
今年はもうこれ以上、何事もないと良いのだけども。
(了)
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