ダメになる会話「雑談ミイラ その3」
ミイラA「認めないぞ…こんな運命…」
ミイラB「あれ?なんか、いつもと雰囲気がちがうね」
ミイラA「今ほどわが身の境遇を呪った事はない…」
ミイラB「えー?いまさら?もうミイラになって長いじゃん。」
ミイラA「まさか…こんな事が起きるなんて…」
ミイラB「どうしたの?」
ミイラA「ミイラとなってすでに千五百年ちかくたつ。」
ミイラB「まあ、そうだけど、いきなりなに?」
ミイラA「まさか千五百年もたって」
ミイラB「ふむふむ?」
ミイラA「ぶええっくしょーーーい!」
ミイラB「うわ!びっくりした!」
ミイラA「ひえええっくしょーーーい!」
ミイラB「な!?くしゃみ??」
ミイラA「どわああっくしょーーーーーいコンチキョウッ!」
ミイラB「いったいどうしたの?ミイラは普通くしゃみなんかしないよ??」
ミイラA「どうやら…これが花粉症というヤツらしい。」
ミイラB「か、花粉症??」
ミイラA「うん、花粉に対するアレルギー反応が一定以上になると、目がかゆくなったり、くしゃみがとまらなくなったりするという、あれだ。」
ミイラB「いや、花粉症は知ってるけどさ、花粉症になったミイラなんて聞いた事ないよ。」
ミイラA「そうだな。おそらく世界初なんだろうな。全然まったくひとっつも嬉しくないけど。」
ミイラB「いったい何でそんな事に?」
ミイラA「花粉症っていうのはさ、花粉を吸い込んだ量が、一定以上になると発症するっていわれてるんだ。」
ミイラB「ああ、そうらしいね。」
ミイラA「花粉症対策でマスクとかするけど、ミイラはもう全身包帯じゃん?全身マスクみたいなもんじゃん?」
ミイラB「そうだね、口だけのマスクと比べるとそうとうスキのない花粉症対策だよね。」
ミイラA「だからミイラになってからは、ほとんど花粉を吸い込まずに済んでたんだと思うんだよね。」
ミイラB「まあ、そうだろうね。」
ミイラA「でも、毎年すごく少量の花粉が、毎年春先にちょっとづつちょっとづつ、どこかから入ってきてて…」
ミイラB「まさか…」
ミイラA「そのまさかだよ!千五百年かけて、とうとう俺の発症ラインをこえちゃったんだびゃあああっくしょいっっ!」
ミイラB「うわ!包帯についたホコリがくしゃみのたびに飛び散る!」
ミイラA「くしゃみをしても(くしゅん!)花粉が(あーちゅっ!)包帯に(アップチキ!)せき止められて(ハッッシ!)でていかないから(アップシク!)くしゃみが(アッチム!)止まらない!」
ミイラB「なんでくしゃみのバリエーションを出そうとしてるんだか。」
ミイラA「そんな事でもしてないと(ハックション!)耐えられないんだ!どうにかしてくれ!」
ミイラB「どうにかっていわれてもなあ。」
ミイラA「しかも花粉が目にもついたみたいで目がカユいっ!でもミイラには目玉がないっ!」
ミイラB「じゃあ気のせいだろ!」
ミイラA「ああ!目を掻きたくても顔も手も包帯で巻いててかけやしないっ」
ミイラB「ミイラを包帯で巻いた人も、まさか花粉症になるとは思わなかったんだろうね。」
ミイラA「目薬をさそうにも包帯のせいで目の位置がわからないっ!」
ミイラB「だから眼球自体がもう無いんだってば!」
ミイラA「ああ~もう!どうしたらいいんだ!呼吸するたびに花粉を吸い込んでる気分になる!」
ミイラB「だったら、呼吸するのやめたらいいじゃん」
ミイラA「君はアホかっ!そんなことしたら死んじゃうだろ!」
ミイラB「いやいや、ミイラなんだから、もう死んでるじゃん。」
ミイラA「え?…あ、そうか。息しなくてもいいんだっけ?」
ミイラB「なんか習慣でしてるだけだからね。」
ミイラA「ホントだ…息をしなければ、鼻もムズムズしないから、くしゃみがでない!」
ミイラB「おおー、良かったね。」
ミイラA「…て事はさ。」
ミイラB「うん?」
ミイラA「しなくてもいい呼吸を千五百年もしたあげく、花粉症になったの?俺?」
ミイラB「…まあ、そういう事になるね。」
ミイラA「なんだよそれっ!なんなんだよっ!バカだよっ!バカすぎるっ! バカすぎて涙がでてくるよっ!…ああ!?」
ミイラB「どうした?」
ミイラA「涙で目の花粉が取れた…」
-END-