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躁うつ病について

現代では「うつ病」についての認識は広まってきていますが、うつ病とは似ているようで違う「躁うつ病」の存在はご存じでしょうか?

躁うつ病とは?

躁うつは「双極性障害」とも言われ、鬱の時期と過剰に調子が良い時期を繰り返す疾患です。

鬱のときは無気力な状態が続きますが、躁の状態になると異常にハイテンションになり、
何でも出来そう、アイディアがどんどん沸く、買い物などで散財する、という行動が出てきます。

躁状態のときは本人にうつ病の自覚は無く、鬱状態のときに診断を受けることがほとんどなので「うつ病だ」と誤診されたり、躁状態のときは治療を受けないことがよくあります。

ですが、躁うつ病の人にうつ病の治療をしても症状は改善せず、逆に悪化させてしまうこともあります。

本人に自覚がないので、周りの人が鬱だけでなく躁の状態のこともあることに気付くことが大切です。

躁と鬱の波

健常の人でも、気持ちが落ち込むこともあれば、嬉しくてハイテンションになることもあります。

ですが、この気分の波は躁うつ病の波とは違う物です。

躁うつ病の人の気分の上がり下がりは、周りの人が
「いつもと違う」
「なにかおかしくない?」

と違和感を感じるほど極端に気分が行き過ぎてしまうのです。

その波の中で家族や周りの人を困らせたり、社会的信用を失うほどであれば、双極性障害の可能性もあるかもしれません。

うつ病と躁うつ

上記でも少し触れたように、うつ病と双極性障害(躁うつ)は全く別の病気で、治療法も違います。

本当は躁うつ病なのに鬱状態の時に診察を受けて「うつ病」だと診断されることも少なくありません。

ですが、うつ病と躁うつ病の治療法は違うので、
うつ病の治療をしてもなかなか改善しない人が、実は躁うつ病だった、ということもしばしばあるのです。

またうつ病だと誤診されてしまった場合、躁状態では気分が向上するので「鬱が治った」と誤解してしまうこともあります。

躁うつ病での躁と鬱が現れる感覚は、数か月だったり数年だったり人によって様々です。

うつ病と躁うつ病は本人でも判断が難しい疾患ですが、躁うつ病の場合、
躁の期間より鬱の期間の方が長いという傾向はあるようです。

また、躁うつ病の患者は1000人に4~7人弱と言われており、100人に10人弱と言われているうつ病よりは割合は少ないと言えるでしょう。

躁うつ病の症状やサイン

躁うつ病になって困るのは、躁状態の時に現実離れしたことを取りがちなことです。

本人は気分が良いので、周りが止めても無謀な買い物や計画をしてしまい、この躁状態を繰り返すことで家庭崩壊失業・破産などの社会的損失が出ることも多くあります。


また鬱状態の時にはうつ病の人と同じように死にたくなるくらい重苦しい気分になりますが、躁状態の時の行動を恥じてもっと気分が辛くなります。

躁状態のときは治療を嫌がることもありますが、周りが躁と鬱の状態に気付いて、早めに治療を受けることが望ましいです。

もしかしたら躁うつ病かも?のサイン

躁状態の時の行動は、周りから見ると明らかにおかしいものです。
具体的な例としては以下のようなものがあります。

睡眠時間が2時間以上少なくても平気になる
人の意見を聞かない
自分ばかり話し続ける
根拠のない自信にあふれている
買い物で大金を使う
アイディアをどんどん出すが、どれも成功までは至らない
眠らなくても元気

これらの項目の複数が行動に出ている場合、躁うつ病の躁状態かもしれません。

躁うつ病の治療

躁うつ病の治療には、薬を使う方法と心理的アプローチがあります。
躁うつ病はカウンセリングだけで治るものではないので、薬物療法をメインに治療していきます。


薬による治療

躁うつ病の治療では、躁状態の時と鬱状態の時、症状が安定している時で治療法が違ってきます。
主に使う薬は気分安定薬や非定型抗精神病薬ですが、躁うつ病は症状が多様なので、主治医とよく相談して治療の方向を決めることが必要です。
血中濃度を測りながら投薬の量を決める薬もあるので、正確なデータを取るためにも処方された量と回数をきちんと守ることが重要になってきます。

また、躁うつ病の患者にうつ病の薬を使っても効果はありません。

心理社会的治療

心理社会的治療とは、いわゆるカウンセリングとは違うものです。
躁うつ病の心理社会的治療は、本人が自分の病気を知り、受け入れ、自分でコントロールできるように援助していきます。
躁うつ病は心理社会的治療だけでは治りませんが、薬物療法と同時に心理社会的治療を行うことは有効だとされています。
心理社会的治療を受けて自分で対応できるようになると、症状が再発した時も自分で気付きやすく、早期治療が可能になります。

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