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一輪の花を供える 「花まつり」


 FacebookやツイッターなどのSNSで「イイネ」を求めるのは、「イイネ」という他者の共感がなければ、ネット空間に自分が存在しないのと同じだからである。SNSのネット空間においては「イイネ」は存在の呼吸に等しい。
という社会学説を聞いたことがあります。

 今年の4月は春の祠堂法要に普段の行事のほかに、お釈迦様の誕生を祝う花まつりを行いました。天地を指さし「天上天下唯我独尊」とおっしゃった誕生されたお釈迦様の姿に甘茶をかける行事です。


 私が花まつりを今年やった仏縁の一番は富士松真宗教団7カ寺共有の花まつりのセットがあったから、たまたまです。しかしながら、お釈迦様のお堂である花御堂の花を用意するのをどうしようかと考えるうちに(お花立の方々のご協力には大変感謝しております。)、「お釈迦さまにお花をお供えしてもらうということは名案ではないか」と思うようになりました。


 4月であれば、タンポポや菜の花、道端にも春の野草が咲いています。買って来たり、育てたりしなくても、「お供えをしよう」という気持ちを道端の一輪の花に向けるだけでできることだからです。その時、あなたの心には仏様がいらっしゃるのです。

釈行信「常々無常流々流転」No,153 『西念寺だより』令和4年5月号掲載

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