戦争という殺戮機械 釈行信「常々無常流々流転」No,152 『西念寺だより』令和4年4月号掲載
常々無常流々流転 No,152「戦争」という殺戮機械 釈行信
https://gigazine.net/news/20220311-ukraine-bill-legal-kill-russian-soldiers/
ウクライナで戦争が始まってしまいました。旧共産圏とはいえ、現代ヨーロッパで戦車や戦闘機による戦争が起こると私は思っていませんでした。プーチンさんは戦争の成果を挙げなければ自分の立場が危ういようで、なかなか停戦に至りません。
世界の敵になってしまったプーチンさんですが、一方でウクライナのゼレンスキーさんは世界の正義なのでしょうか。私にはどちらも「戦争」という機械に巻き取られて止まれない人に見えます。
ゼレンスキーさんは大統領令で18~60歳の男性が外国に逃げることを禁止しています。またウクライナに侵入したロシア兵を民間人が殺害することを合法化する法案が2022年3月3日可決し、翌日施行しています。ウクライナ国民がロシア兵を殺害できると内外に発表すれば、追い詰められたロシア兵が恐慌状態となりウクライナ民間人を虐殺する危険があります。ロシア兵による民間人虐殺が起これば、ロシアの国際的立場はさらに悪化し、諸外国の介入や援軍を期待できるという計算があるように私は思いました。
自国民の犠牲さえ、戦争の道具になる。「戦争」という巨大な殺戮機械は人々の感情と思惑を貪欲に絡み取って育つ怪物です。