「トイレでスマホ」をやめてみた② オールタイムベスト10
ふとした思いつきで、家にあるフリーペーパーなどの「よみもの」をトイレに設置しはじめた。これはその習慣の中で考えたことや、良かったよみものを紹介する連載です。
最近のトイレのおとも
最近のトイレのお供は、こちら。
京都にある本屋 恵文社が発行した、「古本屋が選ぶ 気ままにオールタイムベストテン」。
裏表紙に「600円+税」とかいてあるので商品だと思うんだけど、いつどこで購入したのか全く覚えていない。6年くらい前に京都を一人旅したとき、恵文社には一度訪れているのでそのときかな?置いてあったフリーペーパーやショップカードをたくさん持ち帰った記憶はあるので、まさか万引きしてしまっていないかとちょっと心配している。
全国の24もの古本屋店主が10冊の本を選ぶという内容。選出からはその人の人となりや、人生が滲み出ていてとても興味深かった。合わせて選出に際しての文章も載っていた。気になった本や行ってみたいと思った古本屋に付箋を付けていったら付箋だらけになってしまった。
私も感化されて、オールタイムベストテンを選んでみる。
かりそめが気ままに選ぶオールタイムベストテン
順位は付けられないので、思いついた順で。
意外と10冊も選ぶのって多かった。それぞれ簡単にコメントしていこうと思う。
①TUGUMI/よしもとばなな
美しく、キラキラしていて、儚い季節。大好きな夏が詰まっている。だいたい夏が来る前に読みたくなって、私もつぐみとまりあの育った島に、毎年行っているような気持ち。
②キッチン/よしもとばなな
短編でサクッと読める。台所が好きなのは、この本のせいかもしれない。まわりにはいつも死が充満しているんだけど、それでも生きていくということ。
③星の王子様/サン=テグジュペリ
私のバイブルと言える本。きつねが教えてくれる、絆についてのはなしは特に大切。河野万里子訳のもの(新潮文庫)と、谷川かおる訳のもの(ポプラ社)を持っている。谷川かおる先生は、通っていた大学の教授。星の王子さまの原文すべてを1年かけて自分で日本語訳する授業は、大学時代で一番楽しく心に残っている授業。
④自分で「始めた」女たち/グレース・ポニー
前職を辞める前に購入した。前向きな彼女たちの言葉は深く心に沈み、私を焚き付けてくれる。付箋だらけになってる。
⑤モモ/ミヒャエル・エンデ
ときどき、時間を盗む「灰色の男」と契約してしまっていないかと注意している。私にとってそれはインターネットのどうでもいい情報に頭をぼうっとさせられること。掃除夫ベッポのように目の前のことに集中できているか。
⑥すーちゃん/益田ミリ
益田ミリさんはイラストレーターになりたいと思ったきっかけの人。自分を抱きしめてあげたくなる本。
⑦窓ぎわのトットちゃん/黒柳徹子
子どもが生まれることになったら、また読みなおしたい。小林先生の子供に対する愛情、教育に対する情熱は、学校をいま包んでいる炎よりずーっと大きかった。
⑧花森安治の仕事/酒井寛
花森安治は、私の憧れの人。こんなにセンスの良い人が、こんな昔からいたのかと驚く。
⑨不思議の国の広告/尾辻克彦 選
広告の歴史や、さまざまな視点から見る広告のはなし。人間の活動と広告は昔から切り離せないもの。こちらも京都一人旅のときに「さらさ西陣」というカフェで買ったもので、最近はじめて読了した。
⑩&Premium67 つくりのいいもの、のある生活/マガジンハウス
前からずっと憧れていた雑誌を、古本屋ではじめて購入した記念すべき号。昔はお洒落すぎて、私には到底手が届かないと決めつけていた。今は自分の部屋が大好きで、雑誌に載せられるくらいと思っている。(思うだけは自由。)この雑誌はビジュアルを眺めていて楽しいし、流行に左右されないので時が経っても違和感がない。
選んでみて…
きっとこれからも大切な本たちだけど、今後また良い本と出会ったり、思わぬ本がランクインしたりするだろう。また何年後かにリストアップして比べてみるのも面白そう。