見出し画像

うちの前に花畑がある

ほんとうにタイトルのとおりで、引越し先の前に花畑がある。
内覧で来てたときは雑草が生えた空き地だったのだけど、来るたびに耕され、なにかが植えられ、緑が生い茂ってきていたので何かな?と思っていたら、引っ越してくる頃にちょうど満開のひまわり畑になった。

部屋の窓から見たり、たまに外に出て見たり、見ても見ても飽きない。「ここでの暮らしはきっといいぞ」と、確実に、暮らし始めた私達に明るいきざしを見せてくれた。

そのお礼を伝えたくて、手入れしにくるタイミングを伺っていたのだけどなかなか忙しそうで、気付いたらいなくなってしまったりしていて。今日こそは!と朝部屋の中からチラチラとチェックして、ついに念願果たすことができた。

タイミングが合わない、というのはこちらの要因もあった。今チャンスだけど、なんとなく気乗りしないということがあったり、勇気が出なかったりしたのだ。今日こういう強い気持ちになれたのは、「ここに引っ越してきた」という挨拶が通用するのはもう少しで終わりだと自覚したことと、昨日の後悔があった。

この家をリノベーションするにあたり、わたしたちは市の補助金制度を利用していた。先日工事の完了報告をしたのだけれど、その書類に何やら不備があり、きのう職員さんがわざわざ出向いてくれた。
とてもかんじの良い方で、旦那さんが書類を書いているうちに立ち話をしたとき、この制度をなかなか利用する人がいないこともあって、ビフォアアフターを楽しく見させてもらっていましたと言っていた。

そこで、「良かったらちょっと見ていきますか?」が言えなかった。もう玄関で立ち話していて、上がってもらったらすぐ見てもらえるのに。頭にはあったのだけど、いろんな言い訳が邪魔をした気がする。
結局その職員さんは、書き上がった書類を受け取ってすぐ帰られた。私はその一言を言えなかったことを、夜までずっと後悔していたんだ。

そのことがあって、こうやってまた後悔するぞと思っての決行。
おじさんはとても良い方で話しやすかった。手入れする手つきがなれていたので農家の方ですか?と聞いたのだけれど、普通にサラリーマンをしているとのこと。
毎朝出勤前に手入れしていたよう。すごいバイタリティ!でも、かえっていい息抜きになっていたのだとか。

おじいちゃんが持っていた畑が雑草だらけになってしまっていて、どうにかしたかったけど、畑だと世話が大変だしみんな見向きもしないかな、と花畑にしたみたい。お花は放っておけば咲くから、と笑っていたけれど全然放っていないのを私は知っている。

はじめたらみんな見て写真なんかも撮ってくれてやりがいになっている、と楽しそうだった。本当、家にいて見ていても若い子もお年寄りも、歩く足や自転車、車を止めて写真を撮っている。なんて良い光景なんだろう。

コキアも植えていて、秋には真っ赤になるみたい!楽しみだな。

ふいにおととい目に留まった、無印良品の「どうして気持ちがいいんだろう」のキャッチコピーを思い出した。この人の仕事風景も、その言葉とともにポスターになりそうだ。
誰かを喜ばそうとしている人を見ていると、気持ちがいい。

いいなと思ったら応援しよう!