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やりたい生活がここにある

2024/08/20
野菜がなかったので、前日のトラブルにも懲りず車で隣町の産直へ。
運転しはじめはやはり緊張していた。緊張すると視野が狭まってしまうタチなので、慎重に進む。

途中、ギリギリすれ違えるくらいの細い道がありヒヤヒヤするも、ぶつからず通れた。窮地に追いやられ、だいぶ車幅感覚が身についたらしい。

無事産直に着いて、買いもの。昼過ぎだからか季節柄か野菜が少なく、そうめんかぼちゃ、おかひじきなど普段見ない野菜をいくつか買って車へ戻る。

せっかく足を伸ばしたのだから、とんぼ返りは勿体無い気がして寄り道することにする。車ですぐの町役場へ。田んぼに囲まれた場所で、展望台もあって前にも一度来たんだ。

太陽がギラギラと暑いけど、青々とした田んぼと空があまりに美しいので、役場の駐車場に車を停めて少し歩いた。

遠目に紫色の絨毯が見えて、向かっていくと田んぼの中に花畑があった。写真を撮っていると、隣に女性の方が来て、同じように足を止めて写真を撮っていた。

綺麗ですね、と話しかけると、ほんとうね、と花の名を教えてくれた。なんとかヒヤシンス、と言ったかな。トーブ、とか聞き慣れない言葉が頭についた気がする。やはり私と同じように遠目から気になって、歩いてきたとのことだった。

お互いに写真をとりあって、じゃあまた、と別れる。

田んぼの真ん中を歩きたい、と思っていたのだけどその花畑がある場所がちょうどそんな道だった。私道かもしれなかったけど、ゆっくりそこを歩く。田んぼに囲まれて、サギやトンボがいて、とても暑いけどやさしい風が吹いていた。田んぼのいい匂いがして、静かで、いい時間だった。

最近はなかなか一人で出かけたりぼーっとすることがないような気がするな。毎日、ゆったりと暮らしているので特別そんなふうにしたい気持ちにもならなかったけれど、やっぱりたまには必要だ。自分にピントを合わせる時間が。

田んぼが多く、実家からもよくドライブで連れて行ってもらっていた町。一人でここに来れる生活を夢見ていたし、マイカーを得たときに一番やりたいと思ったことだったので、この日は大事な節目だったように思う。

2024/08/21

今は抱えている仕事がそんなに多くなく、種まきや自主企画に時間をかけるべきだけど、まるでやる気が出ない。アプリの漫画が更新されていないか探したり、Instagramを開いたり、ついにはアトリエの模様替えをはじめてしまった。逃げている。

15時ごろ、しっちゃかめっちゃかになった部屋にインターフォンが鳴り響く。相手は向かいの奥さんだった。おととい梨をおすそ分けしたときに、今度お茶でも、となったのでなんとなくそうかなと思ったんだ。

仕事も集中できないし、特に予定もないので準備してお邪魔した。旦那さんが大工さんで、家も家具も手作りのもので溢れていて素敵だった。手作りといってもなんせプロだから、言われないと全く分からない。

とても私が好きな家だった。どうしてこうも似た波長の人と出会えるんだろう、ましてやご近所さんがそうだなんて、本当にふしぎだ。私が住んでいる家にもともと住んでいた人のことや、ご近所の歴史、最近このへんをうろついている変なおじさんのこと…いろいろ話していたらあっという間に2時間経っていた。

今度はぜひうちへ、と別れる。ご近所さんにお裾分けしたり、お話ししたりいい関係をつくりたいと思っていたけれど、まさかこんなに早くお茶できるようになるなんて思わなかったな。

息子さんに、若い人に余計なお節介しないように、と言われて遠慮していたみたい。このご時世、誘うのも勇気がいることだと思うから声をかけてくれてありがたい。

私たちの前に住んでいた人は、あまり近所付き合いをしないタチだったので、私達がはじめから明るく挨拶してくれて嬉しかったそう。私たちも、いつも笑顔でお話ししてくれて癒されています、と伝えた。こうして少しずつ、街に馴染んでいけたら。

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