オレゴン世界陸上 注目選手 200m
いよいよ2022年7月15日(金)~7月24日(日)にオレゴン(アメリカ)で世界陸上が開催される。陸上選手最大の目標、五輪の一年後ということもあり、個人的には選手たちがどこまで調子を合わせらるか心配だったがそれも杞憂に終わりそうだ。
それどころか今回の世界陸上は全体的にかなりのハイレベルとなることが予想され、見ごたえ申し分ない大会となりそうだ。この記事ではその中でも私が完全に独断と偏見で選手をピックアップしていく。
200m
エリオン・ナイトン、ノア・ライルズ
やはり一番最初に紹介するのは、ライルズとナイトンの対立図が鮮明となった200mだ。
今シーズンはナイトンが歴代4位の記録となる19.49を、ライルズも19.61をマークするなど両者ともに好調さを見せていた。ゆえに世陸の試金石となるUSATFではどのような結果になるかを世界の陸上ファンが注目していたのだが……
結果は先行するナイトンをライルズがぎりぎりで差し切り、勝利。タイムも-0.3で19.67、ナイトンが19.69と申し分ない。
ファンの期待を裏切らない結果となった。
しかし、今回の200mはここで終わらない。上の写真にもあるようにライルズはゴールテープを切る間際に「やってやったぜ」とでもいうように指差し確認(笑)。これに怒ったのか、それとも最後に差し切られた自分に不満がたまったのか定かではないが、レース後インタビューで「never finisied……,never finished!!」とインタビューを打ち切りながら世陸でのリベンジを語ったナイトン。間近で二人のバチバチを見せつけられたカーリーおじさんは、やれやれといった様子で笑みを隠さない。
なんだか米国のアニメを見ているようでこのくだりはみていてかなり面白かった。
下は東京オリンピック選考の時の二人。あんなに仲が良かったのに……。
当然他にも注目選手はいる。
フレッドカーリーおじさん
東京オリンピックで100m銀メダルをとった足の速いおじさん。
上の動画ではアツアツのお二人から蚊帳の外に出されてしまって笑うしかなかった。200m東京五輪銀メダルを取ったべドナレクを倒しただけに200mもかなりの実力をもっているんだけれど、全米選手権みるとナイトンライルズより完成度は一段劣るかな。
ジョセフ・ファンブレ―
アフリカ大陸赤道直下に位置するリベリアという国からアメリカのフロリダ大学に留学中の20歳だ。
先シーズンは度肝を抜くような後半でNCAA(全米大学生の選手権。各国の有望株が集まるので日本選手権よりレベルが高い。)200mを制覇し、今シーズンは100m200m両種目でNCAA王者となった。
200mのPB,SBはともに19.83であり、大学生最強なのは間違いない。だが、ナイトンとの直接対決で0.3秒差つけられ敗れたりしているので金メダル争いはちょっと厳しいだろう。
ジェレーム・リチャード
カリブの国、トリニダード・トバゴの28歳。トリニダード・トバゴといえば、主に1990年代後半に活躍した名スプリンター「トバゴの弾丸」ことアト・ボルドンを産んだ国だ。
ジェレーム・リチャードもそのことを当然知っており、彼のことをとても尊敬しているようだ。
今年の室内選手権の400mで45.00の好記録で勝利。五月には屋外400mで自身初の44秒台に突入するなど好調さは見せていたが、今期のトリニダード・トバゴ選手権で19.83を出して一躍メダル候補に躍り出た。
決してコンディションの良くない中での好記録であり、世界陸上ではまだまだタイムを伸ばしてきそうな一人だ。ちなみにロンドンのマイルリレーでアメリカを破り金メダルをとったメンバーの一人でもある。
ルクソロ・アダムズ
南アフリカ共和国の選手で19.82の好記録をダイアモンドリーグ・ローマでマークして注目を集めた。(ちなみに南アフリカ共和国のNRではない。NRは400m世界記録保持者バンニーキルク……、ではなく、君セカンドベストとパーソナルベストの剥離酷くない談義でよく出てくるムニャイさんだ。)
一応2018のワールドカップ(世陸とオリンピックがない年にお茶を濁す感じで行われる大会。IAAFコンチネンタルカップととても似ている。)200mで銀を取っているが、さすが五輪と世界大会の間に行われる大会なだけあって、一位謝震業、三位全盛期ではないアミール・ウェブ(アメリカ)とこれまであまり注目されなかった理由もなんとなくわかる。
ケニー・ベドナレク アンドレドグラス
東京五輪金銀メダルコンビ。
タイムを見る限り今シーズンの仕上がりはちょっと微妙そう。
とくにドグラスは決勝もいけないかもしれないくらいに調子が悪そう。
五輪イヤーにピークを持って行った分反動がきているのだろうか?