Macで配信するときのBGM再生について(メモ)
BGMは実はケースバイケースです。
概要を説明するので一番使用しやすそうと思う環境を選択されると良いかと思います。
とくにMacのパーソナルユースでの配信はWindowsよりややこしかったりすることが多いです。というわけで、ちょっとメモ的な書き方で超ざっくり感満載ですが、つらつらと書いてみます。
とりあえず、用語として下記の感じで。
配信用パソコン:M1以降のMac
配信用ソフトウェア:OBS Studio(OBSと省略)
配信用ミキサー:オーディオミキサーやストリーミングミキサー(AG03など)
オーディオインターフェース:オーディオI/FまたはAIFと書いたりします
まず、認識間違いの多いお話しから。
ループバック、というのは音の入出力を切り分けて音をループさせることができる「機能の名称」であり、BGMを流すための機能ではありません。(後述で詳細説明します)
BGM再生には音楽を流すためのソフトウェアまたはハードウェアが必須となります。
また、OBSのような、ライブ配信用のソフトウェア上にWAVファイルなどの音ファイルをおいて流すことは不可能ではありませんが、現実的ではありません。それから、AG03などのミキサーと呼ばれるハードウェアだけでは再生できません(例外あり、後述します)。
まず、配信に音楽をのせる方法は大雑把に分けると、3つに分類されると思います。
①音楽再生ソフトで再生
②外部ハードウェアを利用する
③ループバックソフトを使用する
④ミキサーに付属のPADを利用する
順番にざっくり説明します。
①音楽再生ソフトで再生
ミュージック(旧iTunes)などの音楽再生用ソフトで好きな音楽ファイルを登録しておき、再生する方法です。
配信用のパソコンと同じパソコンで再生して、OBSなどの配信用ソフトウェアに入力して、ライブ配信にBGMを乗せます。
この時、ただ、ミュージックなどで再生するだけではOBSにBGMは乗りません。
1.M1MacのiTunesで音楽を再生
↓
2.オーディオI/F
↓
3.スピーカーやイヤホンなどで視聴
これが普通の流れだと思います。
めっちゃざっくりいうと、この3.に当たる部分をOBSにすれば、音が配信に乗ります。
でもOBSって、同じM1Mac上で利用しているわけです。
なので、2.に入力された音楽を3.ではなく、また、オーディオI/F経由で、M1Macに返すことで、
OBSの音の入力設定で、該当のオーディオI/Fを設定して、音量調整ができたりします。
しかし、出力と入力を一緒にすると、だんだん重なっていって、しまいには音がぼわんぼわんと拡張して
しまうやーん、ってなるのを、ちゃんと入力されるところとと出力されるところをM1Mac上で切り分けて、
使用することができる機構があります。これがループバックです。
本題に戻ります。
例えば、AG03をミキサーとして使用して、iTunesをBGM再生ソフトウェアとして利用する場合、下記のようになります。
・M1MacとAG03を接続
・AG03のループバック機能をOnにする
・OBSとミュージックをM1Macで起動する
・ミュージックに流したいBGMを登録する(再生リストを作るとわかりやすいです)
・Macのシステム設定のサウンドの出力で出力先をAG03にする
・OBSの設定→音声のデスクトップ音声の設定をAG03にする
・マイクはAG03に差し込む
これで、M1Macのミュージックで再生した音はAG03を通じてループバックされ、OBSに入力されるようになります。
一旦、これでOKなのですが、これですと困ったことに、M1Macで再生した音は、ミュージックに限らず全ての音が送られて
しまいます。(たとえばMacのシステム音など)
これを防ぐ方法は2通りあり、一つが「Loupback」というソフトを利用する(後述③で説明しています)。
もう一つが、「SoundSource」というイコライザーソフトと呼ばれるソフトを使用する方法です。
「SoundSource」は、本来の使い道としては、Macで鳴る音の音質を調整したりできる常駐型のソフトウェアで、アプリごとに
設定を変えることができるすごいやつです。しかも、アプリごとに出力するところも変更ができます。
極端な話をすると、M1Macに3つのAIFを接続していた場合、アプリごとにどのAIFで再生するか、などを設定できるのです。
(そんなことは特殊な例ですが、作業中の音楽は音質の良いAIF、配信時には配信ミキサーへ、システムエラーはMac内部で再生など出しわけできます)
今回の配信では、「ミュージック」ソフトの再生出力先をAG03にして、その他全体的な出力はMacの内部にしておく。
そうすると、「ミュージック」ソフトの音だけがAG03を通してOBSに入ることになります。
「SoundSource」は有料版を使う必要があり、価格が$43なのですが、とてもよいソフトなので、普段使いでもおすすめです。
②外部ハードウェアを利用する
これは、AG03などのオーディオミキサーにウォークマンなどを物理的に接続して、再生する方法です。
ウォークマンに流したい音楽を入れて、ループモードで再生しておけば、あとはAG03のフェーダーで音量調整するだけで、
バランス調整できます。
ハードに特別な設定が不要なので、実はおすすめです。
③ループバックソフトを使用する
①の項目の時にお話ししましたが、「Loupback」というソフトウェアがあります。
その名の通り、Mac内部にてループバック設定を含めたサウンドループを設定するソフトウェアです。
その昔、Macでは「LadioCaset」と「Soundflower」という2つのソフトを組み合わせてルーティングを実現していました。
でも設定が面倒な上、最近のmacOSでは起動しなかったり不安定だったりします。そこで、「Loupbaack」の登場です。
個人的には音質的にもかなり良いと感じています。
これは、Macで再生される各音(Mac内で扱っているあらゆる音ごとに設定できます)をどの出力先に送るか、また、その音を何でモニタリングするか、
1つの音を複数の出力先に送る、などといったことが設定できます。
この設定は、複数作ることができるので、例えば、普段使い、配信、音楽を聴く、ゲーム、などといった形で設定を用意し、必要に応じて、「Loupback」にて
切り替えるだけで適用することが可能です。
実はこれがあると、ループバック対応のミキサーも不要になります。
(①でお話しした「Sound Source」をルーティングに特化させてさらに細かく設定できる感じです)
こちらも有償ですが、納得の内容となっています。
④ミキサーに付属のPADを利用する
最近流行りの、ストリーミング配信用ミキサーにはPADと呼ばれる、ボタンが付いています。
このPADには、比較的長いWAVファイルやMP3ファイルが登録できることがあります。(サンプラー機能)
これを利用して、BGM用の音楽ファイルをあらかじめ登録しておき、必要に応じて押すことで再生したり止めたりできます。
配信時間に合わせて、あらかじめ、WAVファイルを連結して登録しておくことでBGMをつづけてのせることもできますが、BGMを入れ替えたい場合などが
煩雑な作業となるので、あまりお勧めしません。
ちなみに、PAD付きの配信ミキサーとしては、RODE CASTER PRO2、GigCaster8、Streamer X、DLZ Creatorなどがあります。
たとえば、オープニングやエンディング用の単一の曲を任意のタイミングで鳴らしたいんだ、というような場合に、PADを使うと便利です。
(OBSにもPADを導入するプラグインがあるのですが、マウスぽちぽちが面倒だったり、結構Macではバグることもあるので、やめた方がよいです)
ちなみに、Elgatoの「STREAM DECK」のパネルには、通常ソフトウェアや何かの作業を登録すると思いますが、実は、WAVファイルも登録できます。これで再生すると、あたかもSTERAM DECKから音が鳴っているようにMacが認識するので、「Sound Source」や「Loupback」にてルーティングが可能です。
※別途サンプラー機材をポン出しように導入するケースもありますが、個人配信ではその必要性はないと思うので、今回は省略します。
※「Sound Source」や「Loupback」があれば、ブラウザやMac上で起動している他のソフトも配信に音をのせる、のせないを任意に設定できるので便利です。
●さいごに
これまで説明してきた以外にも、様々な方法があったり組み合わせて使ったりなどケースによって適性も異なります。
マイクに何を使うかにもよりますが、もし、USB接続タイプのマイクを使うなら、配信ミキサーの導入は一旦おいておいて、ソフトウェアで対応してみて、ハードが必要!って感じたら配信ミキサーの導入を検討されると良いのかなと思いました。
ちなみに、ハードが必要だと感じる瞬間は、音声、BGM、効果音など複数の音を配信で扱う際に、瞬時にMUTEにしたり、音量をフェードインアウトしたり、聞こえずらい音の音質調整をしたり、という必要性を感じた時です。
何が必要かとちょっと先を考えて、どの機種を導入するかなど、検討されると良いかなと思いました。
以上、ちょっとわかりにくいかもですが、ご了承ください🙇
質問などは随時DMなどいただければ分かる範囲は回答いたします〜。