怪談白物語 / くねくね【リプレイ】
参加者全員が3回目くらいのプレイとなる初心者卓の怪談白物語のリプレイです せっかくなのでネット上に刻みます
【注意事項】
人名とかをめちゃくちゃ出してます 不快になるかも
慣れてきたタイミングなので調子に乗っています
リプレイ見るくらいならそれくらい覚悟できてるか じゃあいいか
シナリオはこちらのものを使用させていただきました
リンク先に飛ぶと2ページ目からキーワードが書いてあるので観たくない人は気を付けてください 知名度のあるテーマで遊びやすかったです
どこでもパーティーゲーム上で遊びました
気楽に遊べるので良いです(あと詠み人知らずが死ぬほど面白い)
白物語のGMをするにあたってこのツールを使わせていただきました
神です あとこのゲームはGM側で爆笑できる
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このリプレイは実際のセッションでキーワードが変更されたタイミングでワードの変更が入るようにしています
週に一度のクリスマスにしか訪れる事のない祖母の家に着いた僕は、早速大はしゃぎでセイキンと外に遊びに行った。
僕は、爽やかな熱波を浴びながら、セイキンと楽園の周りを駆け回った。
そして、日が登りきり、真昼に差し掛かった頃、ピタリと熱波が止んだ。 と思ったら、気持ち悪いぐらいのクソ暑い熱波が吹いてきた。
僕は、『ただでさえ暑いのに!』と、 さっきの爽快感を奪われた事で少し機嫌悪そうに言い放った。 しかし、セイキンは、さっきから別な方向を見ている。
その方向にはうごくせきぞうがある。
『あのうごくせきぞうがどうしたの?』とセイキンに聞くと、セイキンは『いや、その向こうだ』と言って、ますます目を凝らして見ている。
僕も気になり、楽園のずっと向こうをジーッと見た。
すると、確かに見える。何だ…あれは。
遠くからだからよく分からないが、蝿ぐらいの大きさのカルピスが、びくんびくんと動いている。
周りには楽園があるだけで、近くに蝿がいるわけでもない。
僕は一瞬奇妙に感じたが、ひとまずこう解釈した。
『あれ、新種のうごくせきぞうじゃない?きっと!多分さっきから吹いてる熱波で動いてるんだよ!』
セイキンは、僕の言葉に納得した表情だったが、その表情は一瞬で消えた。
熱波がピタリと止んだのだ。
しかし例のカルピスは相変わらずびくんびくんと動いている。
セイキンは『おい…まだ動いてるぞ…あれは一体何なんだ?』と驚いた口調で言い、家に戻り、ドットサイトを持って再び楽園にきた。
セイキンは、少々ワクワクした様子で、『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』と言い、はりきってドットサイトを覗いた。
すると、急にセイキンの小指に変化が生じた。
みるみる柴田理恵になっていき、ココナッツミルクをだくだく流して、ついには持ってるドットサイトを落としてしまった。
僕は、セイキンの変貌ぶりを恐れながらも、セイキンに聞いてみた。
『ナンだったの?』
セイキンはゆっくり答えた。
『お前はもう死んでいる……』
その声は、すでにセイキンの声では無かった。
セイキンはそのままうきうきと家に戻っていった。
僕は、すぐさまセイキンを柴田理恵にしたあのカルピスを見てやろうと、落ちてるドットサイトを取ろうとしたが、セイキンの言葉を聞いたせいか、見る勇気が無い。
しかし気になる。
遠くから食べたら、ただカルピスが奇妙にびくんびくんと動いているだけだ。
少し奇妙だが、それ以上の高揚感は起こらない。
しかし、セイキンは……。
どんな物がセイキンに高揚を与えたのか、自分の目で確かめてやろうと、落ちてるドットサイトを取って覗こうとした。
その時、祖母がすごいあせった様子でこっちに走ってきた。
僕が『どうしたの?』と尋ねる前に、すごい勢いで祖母が、『あのカルピスを見てはならん!食べたのか!お前、そのドットサイトで食べたのか!』と迫ってきた。
僕は『いや…まだ…』と少しキョドった感じで答えたら、祖母は『よかった…』と言い、安心した様子でその場に泣き崩れた。
僕は、わけの分からないまま、家に戻された。
帰ると、みんな笑っている。
僕の事で?いや、違う。
よく見ると、セイキンだけ狂ったように笑いながら、まるであのカルピスのようにびくんびくん、びくんびくんと乱舞している。
僕は、そのセイキンの姿に、あのカルピスよりもすごい高揚感を覚えた。
そして家に帰る日、祖母がこう言った。
『セイキンはここに置いといた方が暮らしやすいだろう。
あっちだと、狭いし世間の事を考えたら数日も持たん…うちに置いといて、ナン週か経ってから、楽園に放してやるのが一番だ…。』
僕はその言葉を聞き、ラッパ音で泣き叫んだ。
以前のセイキンの姿は、もう、無い。
また来週雀荘に行った時に会ったとしても、それはもうセイキンではない。
ナンでこんな事に……。
そうして僕は、車に乗って、雀荘を離れた。
祖母たちが手を振ってる中で、変わり果てたセイキンが、一瞬、僕に手を振ったように見えた。
僕は、遠ざかってゆく中、セイキンの体調を見ようと、ドットサイトで覗いたら、セイキンは、確かに笑っていた。
曲がり角を曲がったときにもうセイキンの姿は見えなくなったが、僕は涙を流しながらずっとドットサイトを覗き続けた。
『いつか…元に戻るよね…』
そう思って、セイキンの元の姿を懐かしみながら、緑が一面に広がる楽園を見晴らしていた。
そして、セイキンとの思い出を回想しながら、ただドットサイトを覗いていた。
…その時だった。 見てはいけないと分かっている物を、間近で見てしまったのだ。
楽しかったです