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播磨陰陽師の独り言・第二百八十三話「流行りのアニメ」

 最近、海外で日本のアニメが流行っているようです。コロナのおかげでたくさん見られるようになりました。Netflixなどが全世界配信をしているため、外国でも日本のアニメを見られるのです。
 今、世界で流行っている作品は『パリピ孔明』だそうです。これは、三国志で有名な諸葛孔明が、現代の渋谷に転生するコメディです。原作はあまり売れておらず、アニメが放送されるまで失敗作と思われていたそうですが、いざ、放送されると世界中で人気作となりました。特にオープニングで孔明が踊る姿は、東南アジアを中心に、真似して踊る映像がたくさん投稿されて賑わっています。
 また『スパイ×ファミリー』も流行っています。こちらはマンガ連載の時から人気作で、ついにアニメ化と言った感じです。外国の人が、この作品をたくさんの人たちで見ている映像が、いくつも投稿されています。もの凄い盛り上がりです。
 他にも『86』や『ヴィンランド・サーガ』などがヨーロッパを中心に流行っています。もちろん『鬼滅の刃』や『進撃の巨人』なども、まだ流行っています。『鬼滅の刃』は、アニメが東南アジアでヒットして、全世界的な流行となりました。
 外国で流行っている日本のアニメを見ていると、ある種の傾向が見てとれます。日本らしい作品が流行っているのです。
 普通に考えるなら、外国の文化や外国人の感性に即した作品が流行ると思いがちです。しかし、現実はそうではありません。
 日本の評論家たちは、口を揃えて、
——外国で売るには、その国の文化に即した内容やキャラクターを作る必要がある。
 と言っています。ですが、この意見は外国の、まさしく日本のアニメを見ている外国人からは批判されています。彼らは自分たちに合わせた作品を見たいとは思わないのです。
——日本らしい作品が見たい。
 と、切に願っているのです。そして、彼らの中に、日本人らしい感性が芽生えています。
 これらは、ちょうど、浮世絵が西洋に流れてジャポニズムが流行した時に似ています。コロナの影響で世界中が日本のアニメを見るようになって、加速度的に流行りはじめました。そして、アメリカのティーンエイジャーの中で、会話に日本語の単語を挟み込むと言った、言葉遊びまで流行っているそうです。こうやって日本のアニメを見て育った世代が、日本に旅行に来ているのです。そして、彼ら、あ?いは彼女らの感性は日本人になりつつあります。

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