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祈りのカタログ・第五話「意識が持つ力」
人は夢を見る動物です。眠っていて夢を見なければ脳が壊れます。すると、現実の世界の方で〈幻覚〉と呼ぶ夢を見るようになります。創造的な幻覚なら良いですが、時として怖しい白日夢や妄想のような、本人にはコントロール出来ない種類の〈夢〉を見ることになります。そしてコントロール不可能な〈夢の世界〉の中で、人は様々な感情を体験するのです。人が夢を見る時、様々な感情が湧き起こります。感情のエネルギーはすべての精神活動の根源となります。
もし、人が、時として感情を失い、無表情に日々を生きて行くことが多くなると、心が枯渇して感動を失います。そうなると、心は物事の道理を無視して、ただの習慣だけで生きて行くようになります。これでは生きているとは言えません。
生きているとは言えない生き方を続けると、次第に脳の不必要な機能が停止します。不要かどうかは、脳自体が自動的に判断するのです。しかも、意識に無関係に判断されます。
使わないのなら、いっそのこと停止した方が、脳の保護と言う意味においては良いようです。しかし残念なことに、大切な機能も停止されてしまうのです。そして、いくつかの機能が停止すると、脳その物の老化がはじまって、やがて永遠に夢の世界に入ります。
これは、
「夢を見ないようにすると、夢の世界の方が、近づいて来る」
と言う現象です。
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