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不幸のすべて・第十一話「不幸に命をかけないで」
人が不幸になると、いったい、どうなるのでしょうか?
誰でも不幸にはなります。また、幸福にもなれます。しかし、不幸になる時は、どのような状態になると言うのでしょう。人が不幸になる時は、次第に孤独になり、やがて消えるように命を落とします。人は孤独な時に死ぬ確率が上がります。特に事故や天災などで亡くなる時は、不運な人々に囲まれて、孤独な人から順番に亡くなるのです。事故や天災などの時、死ぬ人の数は決まっています。誰かを助けても、死ぬ人の数が決まっている以上、他の誰かが亡くなるのです。もし死ぬことが決まっている人を助けたら、代わりに死ぬかも知れません。死なないまでも、その人の不幸を背負うことになるのです。可哀想だからと言って助けるのは良いですが、その覚悟はあるのでしょうか?
たくさんの人々に囲まれて、賑やかに死ぬ人はいません。しかし、病気などで死ぬことが決まっている場合もあります。この時は思い出が心から剥ぎ取られるように消えてゆき、やがて孤独な気持ちのまま亡くなるのです。だから死んだ人は皆、寂しいと訴えます。
不幸なままずっと生きてゆく人もいます。いつかは必ず孤独死します。誰でもやがては亡くなるのです。死は必ずやって来ます。死は克服しなければならない病ではなく、自然の摂理なのです。どう生きて、どう死ぬかが問題なのです。他人の死に関わるのではなく、まず、自分の生きる世界を大切にしてください。
他人の不幸を見ていると、なぜ不幸なのかを理解することが出来ます。不幸になるには必ずそれなりの理由があります。たとえば、助けるべきではない人を助けて、代わりに不幸を背負うとか言うことです。
もちろん、自らが不幸な時を観察することにより、深く理解することも出来ます。
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