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播磨陰陽師の独り言・第三百二十話「マンデラ・エフェクト」

 皆さん、マンデラ・エフェクトと言う言葉をご存知ですか?
 ネットの辞書によると、

——マンデラ・エフェクトとは、事実と異なる記憶を不特定多数の人が共有している現象を指すインターネットスラング、およびその原因を超常現象や陰謀論として解釈する都市伝説の総称である。当時存命中だった南アフリカの指導者ネルソン・マンデラについて、1980年代に獄中死していたという記憶を持つ人が大勢現れたことに由来し、それ以外の事例に対しても広く用いられている。

 と言うことになります。
 私は一度、マンデラ・エフェクトとしか思えない体験をしたことがあります。
 あれは1980年代の中頃のことです。神戸に行った時、とあるホテルのロビーでエノケンを見ました。エノケンとは、コメディアンの榎本健一さんのことです。昔の映画などに出ていて、当時は有名な人でした。もう、ずいぶんと高齢で杖をついていました。
 まわりの人々も、
「あぁエノケンだ。サインお願いします」
 と集まって来て、たくさんの行列が出来ました。エノケンは心良くサインしていました。そんな光景を眺めていて、何の不思議も感じませんでした。
 何年かして、その時のことを思い出し、ふと、エノケンが死んだ日のことを調べてみました。すると、どうでしょう。1970年代のはじめに、すでにエノケンは亡くなっていたのです。
 エノケンについてネットで調べると、

——榎本健一(1904年10月11日~1970年1月7日)は、日本の俳優、歌手、コメディアンである。当初は浅草を拠点としていたが、エノケンの愛称で広く全国に知られていった。〈日本の喜劇王〉とも呼ばれ、第二次世界大戦期前後の日本で活躍した。

 とありました。
 私がエノケンを見たのは1980年代の中頃です。あきらかに亡くなった後のことです。その時は霊的なものを感じませんでしたし、まわりの人々もエノケンを認識し、サインまで求めました。
 これらは錯覚ではありません。また、パラレルワールドでもありません。
 なぜ、このようなことが起こるのかの理由については昔から伝わっていますが、長くなるのと、理解出来る人がほとんどいないと思いますので……。

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