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播磨陰陽師の独り言・第二十一話「雪合戦」
北海道で冬の遊びと言えば、真っ先に雪合戦が思い浮かびます。子供は特に雪合戦が好きです。何人かが集まると、途端に雪合戦がはじまります。
雪をオニギリのように固めて投げると、誰かが投げ返します。すると、誰が決めるともなくチームに分かれて合戦の開始です。時々、氷の入った雪球も飛んで来て、スリル満点でした。
雪合戦はほとんど格闘技です。飛んできた雪玉を器用に避けては、投げ返すのです。しかも地面は滑る雪。
東京で雪が降った日に中野を歩いていましたが、何人もが足を取られて転びます。しかし雪国の人は転びません。雪ごときで歩けないなど考えもしません。
雪のあまり降らない地域の人は、雪が降れば、喜んで雪ダルマを作るようです。北海道では作りません。私だけに限ったことかも知れません。雪の中に、わざわざ雪ですと言わんばかりに自己主張する雪ダルマなど、いったい、何のために作るのでしょうね。
たまに雪ダルマを見れば、雪合戦の練習のマトにされます。たぶん、小さな子供たちが作ったんでしょうね。哀れな雪ダルマはボコボコにされてしまうのです。
十勝平野では雪よりも氷の方が多いです。雪の表面は、どこでも凍っています。大きなツララがそこら中にあります。当然、ツララを使って、雪ダルマの手足を作ることとなります。
雪合戦では、ツララだけを投げることは禁止なので、ツララを砕いて雪玉の中に入れて使います。重くなるからでしょうか、ツララ入りの雪玉は、速く、しかも真っ直ぐに飛びます。見てると分かるので、わざわざ当たって痛い思いをすることはありません。雪の日は、観察しないと危険です。どんな危険が潜んでいるのか分かりません。ツララどころか、屋根の上で凍った雪が落ちて来ることもあります。それらを見極める訓練のため、雪合戦があるのかも……と思いました。
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