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祈りのカタログ・第七話「息の力は神の力」

 今回は、まず辞書で〈呪文〉の項目を引いてみましょう。
 辞書には、

——一定の呪術的行為の元に、それを唱えると、神秘的な力が現れるという言葉文句。まじない、のろいの文句。密教・修験道・陰陽道などで唱える、まじない。

 と書いてあります。
 ここでは〈まじない〉と言う言葉が印象的なので、この言葉をさらに辞書で調べると、

——神仏や霊力を持つものに祈って、災いを逃れようとしたり、また、他人に災いを及ぼすようにしたりすること。また、その術。呪術。

 と書いてありました。
 さて、どうでしょうねぇ?
 私の心の中には〈祈って〉と言う言葉やが呪術〉と言う言葉が印象的に残ります。ここで言う〈祈って〉は〈祈り〉のことなので、その〈祈り〉についてをまた辞書で引くと、

——神仏に、加護救済などを、請い願うこと。

 とありました。
 これらの辞書で引いた言葉を、ちょいとそこらに並べてみて、それらをゆっくりと眺めていると、何だか意味が分からなくなってきます。どの言葉について辞書で引いても、同じような内容の物事を別な言葉に言い変えて説明している感じです。言葉がループしているように感じるのです。
 これらの辞書の意味を総合して、さらに分析すると〈呪文〉とは、

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