播磨陰陽師の独り言・第三百五十二話「キャンプの思い出」
子供の頃は、毎年、夏休みにキャンプに行きました。北海道の夏休みは、本州に比べて短いです。その代わり冬休みが長くなっていますが、冬にはキャンプは行きません。
夏休みのキャンプは、複数の団体から誘われるので、帰って来ては次のキャンプと言う具合で、盆の期間以外は、ほとんどキャンプに行っていました。海にも山にも行きました。実家は十勝平野の真ん中にあるため、海も山も遠いのです。山なら遠くに大雪山が見えていますが、海は眺めても見えないため、とても楽しみにして行きました。
地元の風習では、盆の期間は海や山へは行かないため、お盆の平原祭りを楽しみました。北海道は八月に七夕祭りをやるので、平原祭りのスタートは七夕飾りからはじまります。この時期ばかりは帯広にいて、短いお盆を楽しむのです。
さて、キャンプに行くと、先輩にテントの立て方から教わりました。五年生になる頃は、もう自在にテントを立てられるようになりました。最近のテントは簡単なようですが、昔のは、ロープを張って三角形になるテントです。しっかり立てないと弛《たる》んでしまいます。
もちろん、料理のやり方や、火の起こし方など、キャンプに必要なすべてを教わりました。今でもカレーを作ると、その頃のことを思い出します。当時は飯盒《はんごう》でご飯を炊きましたが、今でも飯盒を持っています。
はじめてキャンプへ行ったのは、多分、二年生の頃だったと思います。親に安物の十徳ナイフを買ってもらって、嬉しくなって、キャンプへ持って行きました。何とフォークやスプーンまでついていました。しかし、すぐに壊れて、あまり役立ちませんでした。
折りたたみ式のスコップや斧も持っていました。ほとんど、使い道はなかったですけど……。
キャンプと言えばキャンプ・ファイア。薪の積み方も覚えて、毎年、何度か燃やしました。近くで花火も楽しみました。そして炎を囲み、怖い話を楽しみました。キャンプ・ファイアは海岸でするのが良いと思います。山の中でも何度かしましたが、海にくらべて雰囲気は良くありませんでした。炎の向こう側に暗い海が広がっているのが良いのです。何か見えては興醒めな感じがしました。
しかし、キャンプ・ファイアを終えた後の肝試しは、海よりも山の方が盛り上がります。得体の知れない深い山並みが、怖さを強調するような気がしていました。
中学生になったら、なぜかキャンプが激減しました。最近はキャンプへ行っていないので寂しいかぎりです。
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