播磨陰陽師の独り言・第百十二話「気力が湧かない時もある」〈後編〉

　気力がなくなって来る時に見る夢の世界は、これからお祭りがあるような準備の風景を眺めたり、何かのイベントに関する期待感を夢に見ます。そうやって何度かそんな類の夢を見ると、やがて、ワクワクするような現実の出来事に出くわします。もし、出くわさなかったとしても、こんな夢を見続けてゆくと、やがて気力も回復し、現実の世界が楽しくなってゆくのです。しかし、楽しいかどうかは感じる人の性格によるところが大きいです。夢の中の出来事を羨ましく思ったり、
「どうせそんなことは、ただの夢だから」
　と諦めるような性格の人は、残念ながら悪い現実の方を生き続けてしまいます。ある意味、この世界は諦めてしまえばおしまいです。諦めることのない人が、あるいは諦めの悪い人が、いつも夢を叶えるのです。
　諦めの悪い人は、まわりから非難されることも多いでしょう。無駄に思える物事に執着することもあります。時には意地汚く見えることもあります。しかし、良く言えば諦めの悪いことによって根気が続くのです。根気がすべての物事を未来に進ませ、やがて成功へと導くのです。
　もし、あなたの気力が湧かない時は、諦められない物事について少し考えることをお勧めします。こう書くと、間違った方向に考える人もいます。その間違った方向と言うのは、過去の出来事を思い出して、人を恨んだり、羨ましく思ったり、妬んだり……とにかくネガティブな感情を持つことです。ネガティブな感情は自分自身の人生を壊します。だからと言って湧き出るネガティブな感情を無理矢理おさえ、ポジティブになろうと努力することは無意味なことです。なぜならそれは本物ではないからです。
　実は、過去のネガティブな感情を引き起こす出来事を考えなければ良いだけなのです。ネガティブなことを何度も考えても、未来は良い方向には向かいません。ただ単に無駄な時間を過ごすだけです。
　もし、そのことが体感出来る日が来たならば、気力のない時にでも、心の奥底から気力が湧き出て来ることでしょう。体感しそのことを思い出して下さい。それが最も良い方法です。

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