播磨陰陽師の独り言・第三百六十話「門司のこと」
門司港はそうでもないですが、少し手前の門司駅周辺には、九州各地から人が集まって住んでいます。普通なら博多に住むような場合でも、門司に住むそうです。
理由は、
——博多へは行ききらん。
からだそうです。
博多は都会過ぎて住むには苦労します。しかし、門司なら、そこそこ都会的な雰囲気で、しかも田舎っぽさが残っています。どこへ行くにも近くて静かで住みやすいと言います。景色も良く、海や山も近くに見えて、電車ですぐ近くに観光地の門司港や、少し都会の小倉もあります。
観光と言えば、八月十三日に関門花火大会があります。この日に門司港を訪れる観光客は、年間に訪れる人の五分の一ほどです。たくさんの人々が、たった一日でやって来ます。地元は大忙しで、かつて華やかだった都会の門司港を彷彿とさせます。駅までの道は車両通行止めとなり、人で溢れかえります。このイベント、行政がやっているのではなく、すべてボランティアなのです。今年も十三日に花火大会ありました。ボランティアの皆様、お疲れさまでした。下関と門司港を合わせて1500発の花火が鮮やかに飛び散りました。私は自宅でYouTubeでライブ配信を見ました。とても美しかったです。音は空一杯に広がっているので、臨場感は半端なものではありませんでした。
今は昔の物語ですが、戦前の門司港は大都会でした。地球儀にも、東京・大阪・門司港としか書いていないくらいでした。門司港は、昔の人なら誰でも知っていましたが、今は九州の片田舎に過ぎません。人口も少なく、北九州市に併合され〈門司区〉と呼ばれる小さな区域になってしまいました。
しかし、今でも昔の面影は残っています。小さな山や、まるで大きな川のような関門海峡は、風光明媚であり、観光地として十分だと思います。海には平家の滅亡で知られる壇ノ浦があり、宮本武蔵の決闘が行われた巌流島や、神話に出て来る満珠・干珠の島々も浮かんでいます。
門司港からJRで十五分ほど行くと小倉駅に到着します。小倉は新幹線も門も止まり、門司よりかなり都会の雰囲気があります。デパートも大な店街もあります。大きな図書館もあり、とても便利な街です。ここから博多まで高速バスや電車で行けます。
大阪では平野区に住んでいましたが、小倉の方が色々と便利だと思います。
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