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播磨陰陽師の独り言・第417話「バンテリンのこと」

 あれは小学生の時だったかなぁ。四年生くらいのある日のこと、突然、筋肉が痛くなりました。それまでいくら暴れても筋肉痛など経験したことはありません。確か柔道の道場に寝そべって、手足を天上に向けて伸ばしていた時、突然、筋肉に痛みを感じたと記憶しています。
 筋肉が痛い時、皆さんは、どうしていますか?
 バンテリンを使いはじめたのは高校生くらいの頃だと思います。当時、大東流の道場に通っていて、いつも筋肉痛でした。週に三日は稽古がありました。
 中学生の頃には、かなりバンテリンが必要な場面がありました。しかし、バンテリンのことを知らなかったのか? さもなくば、まだ、発売されていなかったのか? 使うことはありませんでした。
 その頃は、区域外から学校へ行っていたので、
——よほどのことがない限り、学校へ行く。
 と教育委員会と約束していました。だからバスが動かなくても、学校へは行っていました。当時はストが多く、そのたびに二時間ほどかかる道をひたすら歩いて行きました。これが夏なら良いですが、冬はたいへん。いつだったか、吹雪の朝、はやめに家を出て、三時間近くかけて登校したこともありました。
 雪を掻き分けて歩く道はひたすら遠く、冷たさと、風の強ささに辟易します。そして、足は重くなる一方で、息も切れて来るのです。
 北海道を離れてからは筋肉痛とは無関係な暮らしでした。しかし、ある時から会社へ自転車で通うようになり、足が疲れて筋肉痛が復活しました。それでまた、バンテリンを買い求めた訳です。
 バンテリンは不思議なほど痛みがなくなります。インドメタシンと言うのを配合しているそうで、それが効いているようです。
 しばらく何年も、筋肉痛とは無関係に生きていましたが、右足の付け根が折れてから、またバンテリンが必要になりました。リハビリをしていると筋肉は痛くなります。時には痛みが何日も続き、体調が悪くなることもしばしば。それでも頑張ってリハビリを続ければ、いつか歩けるようになると信じています。
 時には歯を食いしばって歩く訓練をします。じんわりと目に涙がにじみます。どこかにつかまる腕に力が入って肩も痛みます。体調が悪いと寝ていることが多く、背中も痛いです。しかし、そんな時にでもバンテリが助けてくれます。だから、元気に頑張ることが出来るのです。

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