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播磨陰陽師の独り言・第二百五十七話「メダカ釣り」

 最近、メダカを飼おうかと思っています。以前から壺池でメダカは飼っていましたが、今度は、室内の水槽で飼おうと思ったのです。その理由は、メダカを眺めたいからです。
 以前から使っていたプラスチックの水槽がひとつ空いています。おもちゃのような水槽の割には大きなものです。これに水を張って、水草とヌマエビとタニシとメダカを入れれば、完成です。日の当たる部屋に置いておけば、増えるかも知れません。メダカは一日12時間以上日が当たれば子を産みます。
 メダカは不思議な生き物で、川から海を泳いで、東南アジアの方まで行っているようです。
 最初、この話を聞いた時、
——メダカが海を渡るなんか信じられないなぁ。
 と思ったものです。実際、日本固有種のメダカと同じDNAを持つメダカが、東南アジアの島で確認されたそうです。しかも、そのあたりにはいない筈のメダカが海を渡っていたのだそうです。
——あんなに小さな体をして、どこまで泳ぐのだろう?
 と思うと不思議でなりせん。
 さて、〈究極の粋な趣味〉と呼ばれるものに〈メダカ釣り〉があります。
 これは、鉢に植物を植えて水を張り、メダカを飼って釣る趣味です。もちろん趣味なので、釣り竿やウキを作るところからはじめます。小さな竿をこさえたり、ウキまで手作りして、メダカを釣り上げる醍醐味は、粋な趣味として、江戸時代から広く知られています。
 江戸時代は不思議な時代で、どこにでもいるメダカを、わざわざ飼って眺めていました。そして、食べるためではなく、あくまでも趣味として、メダカを釣っていたのです。
 そんなことを知ると、今でもやってみたくなります。いずれはメダカ釣りに手を出すとして、まずはメダカを飼うところから……。

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