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播磨陰陽師の独り言・第百三十八話「桃太郎の夢のこと」

 幼い頃から桃太郎の夢をよく見ます。大人になってからも、たまに見ています。夢の中の桃太郎やその物語は、お伽話で知っているものとは少し違っています。
 何度も何度も桃太郎の夢を見るので、時々、桃太郎に質問することもあります。私の中では、桃太郎は幼い頃からの夢の世界の友人です。いつでも、そばにいてくれて、他の人には見えませんが、だからと言って妄想や幻覚とも言えない存在なのです。
 なぜ、妄想でも幻覚でもないのかと申しますと、いい加減なことや、私が期待するようなことを言わないからです。妄想や幻覚の中にいる存在は、見る人の期待に答えるかのように嘘を言います。基本的な知識がない人の妄想の場合、特にいい加減なことを言うことが多いのです。
 ある日、突然、霊的な能力に目覚めた人の多くは、ただの妄想や幻覚を語っているだけです。その内容はいい加減であったり、嘘に気付かない場合が多いのです。そして、他人にあれこれ妄想を押し付けては偉そうな物言いをするのです。知りもしない人に対して偉そうな物言いをすること自体、人としてどうかと思います。
 さて、夢の中の桃太郎に、ある日、
「鬼退治の時のよろいは、どこから持ってきたの?」
 と尋ねると、
「あれぞ、おきなおうな、平家の落人落人が末裔故、家に伝うる宝の鎧なり」
 と答えてくれました。
 桃太郎は古語で話しますので会話はすべて古語です。分からない人もいるかと思いますので、以下、普通の言葉で書きます。
 鎧は平家の落ち武者の子孫に伝わる家宝だそうです。桃太郎の家は平家の落ち武者の家系で、平家に伝わる呪法も教わったそうです。これらの話は何度か他にも書いたことがありました。しかし、面倒だったこともあり、古語のままで書いていましたので、これからは漫画にでもしようかと思っています。
 以前からストーリー漫画を描いてみたかったのですが、ようやく漫画を描けるようになったこともあり……やはり物語の基本は〈桃太郎〉だと思いますので……何年かかけて描いてみたいと思います。

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