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播磨陰陽師の独り言・第524話「アメコミの時代劇」

 ゲーム開発をしていた頃、何度かアメリカへ出張したことがありました。その時、ついでにコミックショップへ行って、アメコミを買いました。当時、アメコミはネィティブアメリカンの保護地区でしか売っていませんでした。そこは、いわゆるインディアンの保護区で税金が掛からない地域だそうです。あの頃は、タバコとコミックはここでしか買えませんでした。
 その時、何冊かアメコミを書いました。その中に時代劇がありました。日本の時代劇をアメコミが描いているのです。
 主人公を含め、キャラクターは皆、動物でしたが、かなり本格的な時代劇コミックでした。日本の物とは違い、スクリーントーンを使わない、すべて手描きの絵が新鮮でした。最近の多くの日本のマンガはスクリーントーンが多過ぎだと思っています。手で描くのではなく、トーンワークの絵が多いので、何だか貼り絵のような物を見ているような気がします。
 初期のマンガはトーンの種類がなかったからから、多くは手描きでした。見ただけで絵のうまさとか、味を感じました。しかし、トーンワークが流行り出してから、トーンの張り過ぎと言うか、あまり絵を描いていない作品が多くなりました。それが残念でなりませんでした。
 近年、アメコミは売れなくなっているそうです。米国でも日本のコミックばかりが売れて、だんだんとアメコミコーナーが縮小しています。これは何も米国に限ったことではありせん。ヨーロッパでも同じことが起きているようです。と言うのはフランスにもコミック作家がたくさんいますが、日本のコミックに押されて、売り上げが低くなっています。
 このまま行けば、世界を日本のコミックが圧倒する勢いです。
 最近は韓国発のウェブトーンが出て来ました。ウェブトーンと言うのはネットで読むマンガのことです。何故か日本のニュースでは、

——ウェブトーンは日本のマンガを超える。

 と、ひたすら宣伝しています。しかし、現状では、日本の足元にも及んでいません。何を根拠に超えると言っているのかわかりません。マスコミの、いつものように無闇に韓国推しの宣伝活動だと思います。ちなみにすべての韓国の文化……音楽、映像、ゲーム、コミックの売り上げを合わせても、ジャンプの集英社一社の売り上げにも追いついていませんが……。

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