見出し画像

播磨陰陽師の独り言・第百九十六話「環境に合わせる」

 時代が変化し、パソコンの環境も変わり続けるのに、いつも同じ環境を求める人たちがいます。同じ種類のパソコンと、OSと、同じようなキーボードばかりを探す人を見るにつけ、
「ご苦労さんなことやね」
 と思います。
 彼らは、
「環境が合わへんのから……」
 と、もっともらしき文句を言いますが、
「新しい物事に対応でけへんだけやろ」
 とも思います。
 環境の方が、そのような人々に合わせてくれることはありません。自分の感覚の方を、環境に合わせるべきなのです。
 環境に対して、どんなに文句を言っても、少しも改善されません。自分以外の誰かが作った環境が、自分を知ってくれていて、それに対応してくれる筈などないのです。そんな無理なことを望むくらいなら、自分自身で開発すべきです。
 それに、ダメな部分について怒っている暇があるのなら、自分自身をどう改善すべきなのかについて考える方を優先すべきだと思います。自分の感覚を改善すれば、文句を言う必要もなく、その時々の環境の中で、最大のパフォーマンスを得ることが出来ます。
 人は変化する環境に合わせて、自分を変化させることの出来る生き物です。それが出来るからこそ、進化する人類なのです。変化する環境に合わせて変化出来ない、つまり、環境の方を自分に合わせようとする生き物は、退化した末に滅びる運命にあります。
 最近、多くの古い体質の企業や団体が、問題を起こして世間を騒がせます。それらの出来事のほとんどが、自分自身を変えられない人々の集団によって引き起こされているのです。効率が悪いのも、隠蔽体質なのも、ほとんど同じ原因から発生します。それを一言で表現するならば、
「滅び行く民の悲痛な叫びと言う訳やね」
 しかし、この悲痛な叫びは……たとえ、どんなに可愛そうでも、ただの自業自得なので……誰にも、どうすることも出来ません。
 それを、どうこうしようと言う人がいるならば、机上の空論を振り回して、人生を無駄使いしている人か、さもなくば、ただの偽善者だと思います。
 偽善者に、
「あんたは偽善者やね」
 と、ハッキリ言うと怒ります。怒るのは真実を突かれたことによる、ただの防衛反応です。もし、その人が偽善者でなかった場合、怒るのではなく、
「へぇ、そう見えるんや」
 とか、
「そう言った考え方もあるかも知れへんなぁ」
 と言った反応が返って来ることでしょう。もし、真実でなかったとしたら、怒るような物事ではないのですから……。

  *  *  *


いいなと思ったら応援しよう!