播磨陰陽師の独り言・第448話「和食は美味しいなぁ」
外国人が好きな和食の第一位は〈寿司〉だそうです。お寿司は美味しいですねぇ。その他にも和食を食べた外国人は胃袋をつかまれて虜となるようです。
以前は、
——外国人にも味の分かる人がいるのか?
とか勘違いしていましたが、ある日、そうではないことが分かる体験しました。
一年間、大阪で入院していた時のことです。お世辞にも美味しいとは言えない食事の毎日でした。お正月には外出して自宅に帰りました。その時、食べたのが、近所のモスバーガー。最初のひと噛みで、口の中で味の爆発を感じました。しばらく素足で歩かなかったら、久しぶりの地面はくすぐったく感じます。それの何倍もの感覚が口の中に溢れ出したのです。私は驚いて、目を見開きました。口の中で何かが弾ける感じがしました。そして、喜びで心が一杯になったのです。
多分、これと同じ感覚を、外国人たちは感じたのでしょう。眠っていた味覚神経が一気に目覚めたような感じです。そしてその衝撃の大きさに愕然として、
——今まで美味しいと思っていたものは、いったい、何だったのだろう?
こうなると、もう、元には戻れません。
——不味いものは不味い。
と認識するようになるのです。舌が活性化するとでも言うのでしょうか? 不思議なほど味わいを感じられるようになるそうです。
多くの外国人は、
——日本に行かなきゃ良かった。
と思うようになり、地元で日本の食材が買える店を探すそうです。
そんな中の一番が寿司です。
生寿司は、江戸時代に日本ではじまりました。元々はバッテラのような押し寿司があって、それが江戸で生寿司に進化したのですが、このふたつは別物な感じもします。やがて鉄火場(博打場)で生まれたのが〈鉄火巻き〉。同じ頃、稲荷寿司も生まれ屋台が出ました。
最初の生寿司はオニギリほどの大きさでした。それを食べやすいように考えた末、ふたつに分けて食べられるようになりました。
ちなみに、ウクライナは寿司好きな国です。国内に寿司店がたくさんあるようで、親日家も多く、ロシアに侵攻されて避難先を日本に選ぶそうです。私の中ではウクライナ人は珍しくなく、九州に住む人を知っていますが……。
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