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祈りのカタログ・第三十六話「この世界は美しい」
前回は、
——それら全ては互いに調和し全体的に美しい旋律を奏でるかのように、この世のすべてを創造して行くのです。
と言うところで終わりました。
その時の出来事の、ぼんやりとした思い出は、すべての人や心を持つものの中にあり、全て心は、時としてそれらを思い出すことがあります。
その思い出は最初はとても小さいなものです。やがて大きく波打って次第に大きな畝りを作り出し祈りの言葉となります。祈りは、心からの願いとなり、全ての思いを生みなし、心に感動を与え、神々すら感動さます。それは、このあなたが、今、生きている天地すべての旋律をもって運命そのものを美しく奏でて行くのです。そうして、やがて命あるものは死を迎えます。
しかし、それは消滅を意味しているのではなく、新しい世界を創造するための糧となって行くのです。
人間の、そしてあなたの命は、そのようにして、突然、この世界に出現し、あなた独自の個性を造りながらこの世に欠くことの出来ない、まるで旋律を奏でる楽器のように、あなたとあなたの周りの人々の人生を創造して行くのです。ですので、たとえどんなことがあったとしても、あなたはこの世界に必要なのです。
あなたがこの世に生まれたことが、大いなる偶然のなせる技であったとしても、あなたはこの世界の旋律を奏でています。もしそれが美しい旋律であるならば世界は平和で美しい未来を迎えます。
また、もしそれが美しくない旋律であればただ苦しい未来を造るだけです。
この時の美しい旋律かどうかの基準は、
「心は常に美しくありたい」
と願い思う心の中にあるのです。
そして、その願いが神をも動かす〈祈り〉となります。しかし、あなたにとって美しくない心のあり方は、あなただけではなく、人類全体の未来を不幸な世界へと変えて行きます。
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