ダポンテ
舞台が好きだ。
舞台が好きなので、年間に舞台をいくつか見る。
ご縁があるもの、チケットが取れたもの、お金と時間が許したもの等で
全ての舞台をチェックできているわけでも
そう何十本、何百本と年間に見られる訳では無いが
ともかく舞台が好きなので、舞台を見る。
映画も小説も好きだが、映画と小説には無い臨場感と"生"の感じが舞台にある。
その最上級の非日常を感じに舞台を見に行く。
今回私はご縁があってダポンテを見に行くことが出来た。
今をときめくミュージカルスター、海宝直人さん主演の舞台である。
上本町にある新歌舞伎座で見た。
海宝直人さんの歌唱力は凄まじかった。
天性の歌唱力。
歌えば歌うほど上手い。
どのナンバーも、余裕綽々と言った感じであった。
まだまだ余裕がある中でそれだけのクオリティを出しているんですよ、と言った感じ。
手を抜いておられるという意味ではなく、ただ本当に、まだ余裕ですという感じがあった。
背も高く、見目麗しい。
舞台のために生まれてきた方である。
モーツァルトのキャラが良かった。
モーツァルトめっちゃええ奴やん
ととても思った。
金持ち生まれのボンボンだからと言って鼻につくわけでなく、純粋でピュアで音楽のために生きた人。
偏屈のプライドの高い理想家であり革命家のダポンテの良き理解者であり良き友人。
心の広い、自分が美しいと感じたものに嘘をつきたくない人物。
モーツァルトってめっちゃええ人やってんな、
とこの舞台を見て感じた。
筆者はここ数日暗い話の舞台ばかり見てきたので(For ex,ノートルダムの鐘、宝塚星組より1789、ジキルとハイド、etc)少し救いのあるような、希望の持てる作品で楽しかった。
そりゃあ勿論中には差別的な描写や、芸術家たちがその時代をどのように生きたかという葛藤、そして何より時代の移り変わりというものが含まれていたが
それでも私がここ数ヶ月見てきた作品たちと比べるといくらか明るく、ほっと一息つきながら見ていられるぶん心地よかった。