光州ビエンナーレ2024に行ってきました②
こんにちは、karinです。
韓国で2年に一度開催されている「光州ビエンナーレ」に行ってきましたので、その様子を記録しておきたいと思います。
光州ビエンナーレ2024に行ってきました①では行き方やおすすめのアプリ情報をご紹介しています。ご興味ある方はそちらもご覧ください。
光州ビエンナーレってなに?
そもそも光州ビエンナーレ(Gwangju Biennale)とは何なのか?
光州ビエンナーレとは、韓国・光州で開催される国際的な現代アートのビエンナーレ(2年ごとに開催される国際的な芸術際)で、1995年に初めて開催されました。政治的・社会的なテーマに焦点をあてることが特徴です。
光州は1980年の光州事件(民主化運動)でも知られていますが、ACC(国立アジア文化殿堂)同様、この歴史的背景がビエンナーレの根底にあります。芸術を通じて人権や平和、社会的変革をテーマにした作品が多く展示されるため、アートイベントにとどまらず、社会的・政治的なメッセージを伝える場としても重要な役割を果たしています。
光州ビエンナーレでは、絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど、さまざまな形式の作品が展示され、世界各地からアーティストやキュレーターが参加します。
光州ビエンナーレ2024のテーマ・特徴は?
光州ビエンナーレ2024:「パンソリ:21世紀のサウンドスケープ」
今回の光州ビエンナーレは、「パンソリ:21世紀のサウンドスケープ」をテーマに、9月7日から12月1日まで開催されています。会場は光州ビエンナーレ展示館をメインに、市内のサテライト会場でも展示が行われ、今年は日本パビリオンが初参加しているほか、世界中から73組のアーティストが参加しています。
私は行く前から、サウンドスケープという言葉を用いて、どのように作品が展開されているかが、とても楽しみでした。
展覧会のアーティスティック・ディレクターは、フランスの批評家・キュレーター、ニコラ・ブリオー。気候変動や環境問題、人間だけでなく動物、植物、AIなど非人間との関係性に取り組むアートの重要性を提唱しています。今回のビエンナーレでもそのテーマが反映されているのがよくわかりました。
パンソリとサウンドスケープ
「パンソリ」とは、韓国の伝統音楽で、ひとりの歌い手が太鼓のリズムに合わせて感情を表現するものです(youyubeなどで検索するといくつか出てくるので見てみてください)。本展では、「サウンドスケープ」を銘打っているとおり、音楽や音が空間を満たし、視覚だけでなく身体全体で体験することができます。
印象的だった作品
ドイツ出身のミラ・マンによる本作は、1966〜73年にドイツの看護師不足を補うため誘致された1万人以上の韓国人女性の存在にに捧げられた記念碑を表現しています。この史実は、翌日訪れたソウルの歴史博物館にも記載されていました。
↑私自分用に撮影したもので、少し酔うかもしれませんのでご注意ください。
マックス・フーパー・シュナイダーの《LYSIS FIELD》は、ゴミを使って作られた巨大なビオトープのような作品で、退廃的な未来のエコシステムを彷彿とさせます。水が流れていたり、植物や砂が用いられていたり、こういった日本の美術館では展示のハードルが高い作品が存分にみられるのも面白さの一つだなと感じました。
視覚的要素だけでなく、音に加え、お香を用いた作品など、表現の多様さを強く感じました。扱うテーマも環境問題、植民地主義、政治、社会、そしてなんといってもこれまであまり美術の表現で見ることのなかった、祈りや儀式が感じられるシャーマン的要素を取り入れた作品が印象的でした。
次回の記事ではサテライト会場の様子をご紹介したいと思います。
展示概要
光州ビエンナーレ2024
会 期:2024.9.7(土)~ 2024. 12. 1(日)
時 間:10:00~18:00(最終入館17:30)
休館日:毎週月曜日
料 金:一般18,000ウォン
https://www.15gwangjubiennale.com/