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日々を紡ぐ美しさ「PERFECT DAYS」鑑賞


先日『PERFECT DAYS』を鑑賞。
本当に様々な方々絶賛していたのでやっぱり映画館で観たくなった。

近未来を感じるスカイツリーや夥しいビル群とお洒落な都内のトイレ達、そして風呂無しアパートで文庫本と小さな植物達と整えられた生活を営むトイレ清掃員の平山さん。
2つの世界のコントラストが不思議に共存している。
スマホもテレビも持たない平山さんの生活にはカセットテープやフィルムを入れるカメラがあった。
「時代についていけない」と嘆いている私ですらそれらはもう持ってない。

平山さんは出勤日の朝、太陽がまだ登ってない空を見上げてて微笑む。
まるで空に祝福されているみたいだと思う。

箒の音、歯磨き、持ち物を置いた玄関、植物に水を与えるルーティン。
淡々と行われる日々の営みがこんなに美しいとは。

『こんなふうに生きていけたなら』

大都会東京のスカイツリーの下で、まるで自然と対話している様に生きる平山さんの人生に素直にそう思えた。

私は空をキチンと見つめた事があっただろうか?
空や木漏れ日ともう少し触れ合えたら平山さんに近付けるかもしれない。

人物達の行動に明確にしないところも好きだった。
何もかもはっきり話さなくていい。
家出した理由も、最期に会いたかった理由も、孤独を選び取った理由も。
人には色々あるのだから。

一人一人の人生を包み込む優しい映画だった。

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